麻生財務相、米中対立「トランプ大統領の思いつきでない」

2018/11/27
更新: 2018/11/27

[東京 27日 ロイター] – 麻生太郎財務相は27日の閣議後会見で、米国のペンス副大統領による対中冷戦宣言を重視する必要があると強調し、米中対立が安易に解消しない可能性に対して警鐘を鳴らした。

今週末ブエノスアイレスで開かれる20カ国(G20)首脳会談と並行して予定されている米中首脳会談への期待を質問され、麻生氏はペンス米副大統領が10月「ハドソン研究所で行なった講演に答えが書いてある」と回答。中国を米国に挑戦する国と位置づけた厳しい対中批判に対して「中国は公式に何の反論もしておらず、(中国側の対応が)出てこないと、(米国の対中)対応としては進んでいく」と指摘し、米中対立は長期化が必至との見解を示した。

その上でペンス演説に見られる対中強硬論は、「トランプ大統領だけでなく、米国の東部エスタブリッシュメントの意見と捉える必要がある」と指摘。故に「ペンス副大統領は来日して同演説の内容について説明した」と明らかにした。

麻生氏はペンス副大統領の演説を読んだ際に驚いたと述べ、「米国の中国に対する態度をトランプ大統領の思いつきと捉える人がいるが、違う」と言い切った。

G20・首脳会合および財務相会合では、「貿易に限らず国際経済をめぐる様々な問題に協調して取り組むことが大事との観点で議論を進めなければならない」と強調した。同会合をもってG20の議長国がアルゼンチンから日本に移る。

*内容を追加しました。

(竹本能文)

Reuters
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