中国、米国車関税を3カ月間停止 通商交渉の加速化期待

2018/12/15
更新: 2018/12/15

[北京/ワシントン 14日 ロイター] – 中国財政省は14日、米国製自動車および自動車部品への追加関税適用を来年1月から3カ月間停止すると発表した。同時に中国と米国がすべての追加関税撤廃に向け交渉を加速させるよう望むと表明した。

中国は、米国から輸入する自動車および部品(144項目)への25%の追加関税と自動車関連製品(67項目)への5%の追加関税を2019年1月1日から3月31日まで停止する。

習近平・中国国家主席とトランプ米大統領は1日の会談で、米国が年明けに実施する予定だった2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税の引き上げを90日間猶予することで合意した。

トランプ政権高官は11日、中国が米国製自動車と自動車部品の関税率を40%から25%に下げることで合意したと述べていた。

中国自動車流通協会(CADA)輸入車委員会の王存主任は「両国が貿易摩擦解消に向け取り組んでいることを示す良い兆候だ。自動車メーカーは今後輸入車を大量注文する可能性がある」と述べた。

中国の関税停止を受け、米電気自動車(EV)メーカーのテスラ<TSLA.O>はすぐさま「モデルS」と「モデルX」の中国での販売価格を値下げした。テスラの中国版ウェブサイトによると、「モデルS」の一部車種の価格は最大10万5000元(1万5200ドル)、「モデルX」は最大6万5000元引き下げられた。

米フォード・モーター<F.N>のジョー・ヒンリクス米州担当社長は「米国からの輸出が多い当社としては、今回の発表に非常に勇気付けられる」として中国の決定を歓迎する意向を示した。

ただ米中両国の自動車輸出の規模はそれほど大きくないのが現状だ。中国自動車技術研究センター(CATARC)の調査によると、昨年の中国の対米自動車輸出台数は5万3300台、米国車輸入台数は28万0208台。これに対し業界統計では、今年1ー11月の中国の自動車生産台数が2530万台(前年比2.6%減)となっている。

トランプ米大統領は中国の関税停止の動きを歓迎。「中国は米国との通商戦争が原因で経済成長が鈍化していることを明らかにした。そして対米関税の停止を発表した」とし、「米国はうまくやっている。中国は規模が大きく、かつ極めて包括的なディール(取引)を望んでいる。近く実現する可能性がある!」とツイートした。

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Reuters
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