対中貿易協議は9日も続行、現時点で順調=米当局者

2019/01/09
更新: 2019/01/09

[北京/ワシントン 8日 ロイター] – 米中の貿易問題を巡る次官級協議が9日も続行する見通しとなった。米交渉団メンバーで、エネルギー省のスティーブ・ウィンバーグ化石エネルギー担当次官補が8日、明らかにした。

協議は北京で7日から2日間の日程で行われていたが、予定になかった3日目に突入する。

同氏は記者団に、協議は現時点で順調に進んでいると説明した。

また、交渉団を率いる米通商代表部(USTR)の報道官も、3日目の協議が行われることを確認し、終了後に声明が発表される見通しだと述べた。

中国国営紙、環球時報の胡錫進編集長はこれに先だちツイッターで、9日も協議が行われるとの見方を示した。「双方が真剣に話し合いを行っており、意見の隔たり解消に向けて懸命に取り組んでいる。(協議続行は)こうしたシグナルを送るものだ」と投稿した。

9日の協議に米代表団がフルメンバーで臨むかどうかは分かっていない。

トランプ米大統領は8日、ツイッターで対中協議が順調に進んでいるとの認識を改めて示したが、詳細には立ち入らなかった。

<進展の兆候>

こうした中、中国の農業農村省は8日、5件の遺伝子組み換え(GM)農作物について輸入を承認したと発表。農産物市場のさらなる開放を求める米国の圧力を和らげる狙いがあるとみられている。[nL3N1Z81Z6]

また、中国の輸入業者が米大豆少なくとも約18万トンを購入したことが、トレーダー2人の話で分かった。中国業者による大規模買い付けは過去1カ月で3回目となる。[nL3N1Z74KO]

中国が米国の大豆や石油、液化天然ガス、金融サービスの輸入を拡大することは、米国の技術を中国企業に移転することを目指した中国の産業政策に大幅な変更を加えることよりも達成が容易だとみられている。

協議の内容に詳しい関係筋の1人は「全体的に協議は建設的だ。購入の面で良い進展があるとわれわれは感じている」と説明。知的財産保護強化のコミットメントを中国にいかに順守させるかを決定する方が難しいと付け加えた。

戦略国際問題研究所(ワシントン)の中国事業・政治経済プロジェクト担当ディレクター、スコット・ケネディ氏は、両国は中国による米国産品の輸入拡大、米知的財産の保護強化、中国産業政策に対する制約といった、トランプ米政権にとっての最重要課題を初めて話し合っていると指摘。「こうした分野で掘り下げた交渉を持つことができるかどうかが、今週の協議の成否を判断する上で最低限のベースラインとなる」と語った。

*内容を追加しました。

Reuters
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