大紀元時報

米中通商交渉の3つの争点 トランプ氏「様子を見よう」 

2019年03月01日 21時00分

米通商代表部(USTR)は27日、中国からの輸入品に対する関税引き上げを正式に延期する方針を発表した。大統領は26日、米中通商協議が合意に達成できるかどうかについて、「何が起きるか様子をみよう」とツイッターに投稿した。

大統領のツイッター投稿、米政府関係者の発言と各メディアの報道をみると、米中双方の間に3つの未解決の問題があるとみられる。中国側が大きく譲歩しない限り、米中首脳会談が行われる可能性は低い。

米、エタノール関税率の引き下げを要求

ソニー・パーデュー米農務長官は26日、米メディアに対して、米通商代表団は中国当局に対して、消毒剤などとして広く使われるエタノールへの関税を引き下げるよう求めたことを明らかにした。中国当局からまだ返答はないという。中国側が同意する場合、米国のバイオ燃料業者やトウモロコシ農家が恩恵を受けることになる。

米再生可能燃料協会(RFA)によると、2016年に中国が米国産エタノールの3番目の市場となった。中国向けエタノールの輸出は全体の20%を占めた。しかし、2018年米中貿易戦の激化に伴い、対中のエタノール輸出は全体の4%まで減少した。

中国当局が2018年4月、128品目の米国製品に対して追加の関税措置を実施したことによって、米国産エタノールへの関税率は45%となった。同年7月、米政府のさらなる関税制裁を受けて、中国当局も報復の関税措置をとった。これによって、米国産エタノールへの関税率は70%となった。

米政府は現在、この関税率を15%まで引き下げるよう中国側に求めている。中国側が米側の要求を承認する場合、世界貿易機関(WTO)の規定により、他国から輸入したエタノールの関税率を一律に現在の30%から15%に引き下げる必要がある。これが理由で、中国側は米に譲歩できないとみられる。

いっぽう、パーデュー農務長官は25日の記者会見で、中国側は短期間内で米農産物の購入をさらに拡大すると約束したが、トランプ政権は依然として、非関税貿易障壁の撤廃、構造改革、知的財産権侵害に関して中国当局に圧力をかけていくことを強調した。

長官は、中国当局は強制技術移転など核心問題を解決しなければならないと述べた。

3つの争点

中国の劉鶴・副総理は代表団を率いて、21~24日まで米ワシントンで閣僚級の米中通商協議を行った。米側は、USTRのライトハイザー代表とムニューシン財務長官が出席した。トランプ大統領は24日ツイッターで、前日の米中協議について「非常に生産的だった」と書き込んだ。

ロイター通信は同日、情報筋の話を引用し、米中双方の交渉に大きな進展がみられたと報道した。24日の交渉の重点は「関税、コモディティ、合意順守」であるとした。

中国当局に合意内容を順守させるメカニズムの設立は、米中双方の最大の争点の一つだとみられる。米メディアによると、情報筋は現時点では、中国当局は合意順守のメカニズムの構築に一定の理解を示したものの、米が「中国は合意を順守していない」と判断した場合、一方的に制裁措置をとることに異議を申し立てていることを明らかにした。

また、米中双方は、中国側の非関税貿易障壁の撤廃についても、交渉は進んでいないようだ。非関税貿易障壁のうちの一つ、中国当局の国営企業に対する補助金支給について、米中間の対立は大きい。国営企業への補助金は、中国当局の重要な産業振興戦略、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」を実現させるための核心的な政策である。これは、改革開放政策について中国指導部が昨年12月に示した「変えてはいけない部分」に属する。中国当局が、国営企業への補助金供与を簡単に中止する可能性は低い。

ロイター通信20日付は、米中通商交渉の関係者2人の情報を引用し、米中双方は強制技術移転、知的財産権保護、サービス、農業、為替および非関税貿易障壁に関して了解覚書(MOU)を起草したと報道した。

しかし、トランプ大統領は2月24日のツイッターで、米中双方は重要な構造的問題に関して進展があったとして、「知的財産権保護、技術移転、農業、サービス、為替、そのほかの多くの問題を含む」を挙げた。

ロイター通信とトランプ大統領のツイッターの投稿から、現在非関税障壁の撤廃において、米中通商交渉は進展していないと見て取れる。前述のパーデュー農務長官の25日の非関税障壁をめぐる発言と一致する。

このため、現段階では中国と米国の間で、コモディティ(エタノールなど)に関する関税率の引き下げ、合意順守、非関税障壁の撤廃に関して対立しており、議論が続くとみられる。

トランプ大統領は2月24日ツイッターを通じて、中国製品への関税率引き上げを延期したと示したうえで、「さらなる良い進展があれば、マール・ア・ラゴ(フロリダ州にある大統領の別荘)に習近平国家主席を招待し、合意を目指す首脳会談を行うだろう」とした。トランプ大統領は、中国側がさらなる譲歩を示してはじめて、米中首脳会談は開催されるとほのめかした。

大統領は25日、全米州知事との朝食会で、米中貿易交渉について、「順調であれば、来週または2週間内に非常に重要なニュースを発表するだろう」と述べた。

(翻訳編集・張哲)

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