司法介入疑惑巡りカナダ上級官僚辞任、トルドー首相にさらなる打撃

2019/03/19
更新: 2019/03/19

[オタワ 18日 ロイター] – カナダ政府の上級官僚が18日、カナダの建設会社SNCラバラン・グループ<SNC.TO>の贈収賄事件への司法介入疑惑での対応を理由に辞任すると発表した。既に支持率が落ち込んでいるトルドー首相にはさらなる打撃で、首相は政権発足以来の危機に直面している。

枢密院書記官長のマイケル・ワーニック氏は、トルドー首相に数週間以内に辞任すると伝えた。SNCラバランの贈収賄事件での司法介入疑惑への対応で野党の信任を失ったためと説明している。

枢密院書記官長のポジションはどの党にも属さない立場とされる。ただ、司法介入疑惑を巡りワーニック氏は、政府高官を擁護し、誰も不適切なことはしていないと主張し続けたことから、野党議員らから与党自由党に傾いているとの批判が上がっていた。

ほんの数カ月前までは10月総選挙での再選がほぼ確実視されていたトルドー首相だが、SNCラバランの贈収賄事件に介入しようとした疑惑が持ち上がり、支持率は急落している。

一方、トルドー首相は18日、3月4日に予算庁長官を辞任したフィルポット氏の後任として自由党のジョイス・マレー議員(64)を指名すると発表した。マレー議員の入閣は初めて。ブリティッシュ・コロンビア州の閣僚を務めた経歴などを持つ。

*内容を追加しました。

Reuters
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