カドローNEC委員長ら、米大統領支持のFRB理事指名方針を擁護

2019/04/08
更新: 2019/04/08

[ワシントン 7日 ロイター] – 米ホワイトハウス高官は7日、トランプ大統領が自身に政治的に近い人物2人を米連邦準備理事会(FRB)理事に指名する考えを示したことを擁護した。

トランプ大統領は空席となっている2つのFRB理事のポストに保守系経済評論家のスティーブン・ムーア氏と、元実業家で2012年大統領選で共和党候補者指名争いに出馬したハーマン・ケイン氏を指名する意向を示している。

カドロー国家経済会議(NEC)委員長はCNNの番組で「大統領は両氏を支持している」と述べ、「大統領には自身の経済哲学を共有する人物を指名する当然の権利がある」と強調した。

また「インフレは起きていない」との見方を示し、むしろFRBが「弱い世界経済や市場での一定の金融引き締まりを考慮せず」金融政策を過度に抑制的にしたことへの懸念があるとした。

非常に低水準の失業率がいずれインフレ高進につながるとのFRBの見解は根本的に誤っていると大統領は考えているとし、そうした理論は「過去何十年にもわたり反証されてきた」と指摘。「われわれは就業者の増加がインフレにつながるとは考えていない」と述べた。

その上で「異なった意見を持つ人物をFRB理事に指名する当然の権利が大統領にはある」とし、「大統領は自身の哲学を共有する人物をFRBに送りたいと考えている。これは政治的な問題ではなく、世界観の問題だ」と語った。

ケイン、ムーア両氏は身元調査が完了しておらず、まだ正式には指名されていない。上院の承認を受ける必要もある。

ケイン氏は上院で、セクハラ疑惑など一連の問題で質問を受ける可能性が高い。トランプ氏を支持する政治組織での現在の役割についても精査する動きがある。

ムーア氏は当局から未納を指摘されている税金について、上院民主党からすでに文書の提出を求められている。

政策面では、両氏とも明らかに政治的な人選で、過去には政権に就いている党次第で経済に関する考え方が変わる傾向があったとの批判や、トランプ氏の目先の政治的利益を考慮して金融政策に影響を及ぼそうとする恐れがあると懸念する声が上がっている。

マルバニー大統領首席補佐官代行は7日のテレビ番組で、ケイン氏は「FRBのすばらしいメンバーになる」との見方を示した。

Reuters
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