北朝鮮、新型兵器の実験実施 金委員長が視察=KCNA

2019/04/18
更新: 2019/04/18

[ソウル 18日 ロイター] – 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は18日、金正恩・朝鮮労働党委員長が17日、新型の戦術誘導兵器の実験を視察したと報じた。

今回の実験は2月にハノイで行われた2回目の米朝首脳会談以降で最初の公の兵器実験となる。

KCNAは新型兵器の詳細は伝えておらず、ミサイルか他の種類の兵器かも明らかでないが、「戦術」としていることから、長距離弾道ミサイルなどではなく、近距離の武器とみられる。

ただKCNAは、新型兵器には「特有の飛行誘導モード」や「強力な弾頭」が装備されているとしている。

KCNAによると、金委員長は「兵器システムの開発完了は、(北朝鮮軍の)戦闘力を増強する上で極めて重要な役割を担う」と語った。

2月の米朝首脳会談は物別れに終わり、北朝鮮に対する制裁は継続している。

慶南大学極東問題研究所の軍事専門家、Kim Dong-yub氏は、「異なる標的に対しさまざまな発射方式で実施された」という表現は、地上や海上、空から発射できることを意味している可能性が高いと指摘。「空対地や空対艦、艦対艦、地対地に転換できる短距離巡航ミサイルの可能性が高い」との見方を示した。

米当局者は、現時点で入手している情報では米北方軍司令部と戦略軍司令部は北朝鮮からのミサイル発射を探知しておらず、さらに調査を進めていると語った。

ホワイトハウス当局者は「報道は承知しているが、それ以上のコメントはない」とした。米軍報道官も国防総省は報道を把握しているとコメント。米国務省はコメント要請に現時点で応じていない。

KCNAによると、金委員長は16日にも航空部隊の飛行訓練を視察し、戦闘即応能力に「大きな満足感」を示したという。

慶南大学のKim氏は、今回の実験は制裁に屈しないという米国へのけん制であると同時に、自国の安全保障に対する国民や軍部の信頼を高めるための対内的なメッセージでもあると指摘した。

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は17日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで、3回目の米朝首脳会談を行う前に「北朝鮮は核兵器放棄に向けた戦略的な決断を下したことを実際に示す」必要があると指摘した。

*内容を追加しました。

Reuters
関連特集: 国際