チェコで首相の退陣求める大規模デモ、ビロード革命以来の大きさ

2019/06/24
更新: 2019/06/24

[プラハ 23日 ロイター] – チェコで23日、バビシュ首相の退陣を求める大規模デモが実施された。主催者によると約25万人が参加し、1989年に共産党政権を打倒したビロード革命以降で最大の抗議運動となった。

詐欺や利益相反疑惑の捜査に直面しているバビシュ氏に対しては、退陣を求める声が強まっており、ここ数週間抗議デモが繰り返されている。

参加者は「辞任しろ」や「もうたくさんだ」、「われわれは民主主義をあきらめない」などのメッセージを掲げ、中心部を行進した。家族連れでデモに参加する人も多く、抗議活動は混乱なく行われた。

バビシュ氏は、国民にはデモを実施する権利があると指摘した上で、退陣は拒否している。バビシュ氏の与党ANOは、ここ2カ月の間に支持率が27.5%に若干低下したものの、依然最も高い支持率を維持している。

議会でも十分の支持を集めており、26日に採決が予定されている同氏の不信任案は否決される見通し。

実業家出身で、「チェコのトランプ」と呼ばれることもあるバビシュ氏だが、警察は今年4月、プラハ郊外にホテルとカンファレンスセンターを建設するために10年前に欧州連合(EU)から補助金を受け取っていた問題で、同氏を起訴すべきだとの結論を出した。同氏は不正行為はないと主張している。

その直後に法相が交代となり、バビシュ氏が起訴手続きに影響を与えるため法相を交代させたとの見方が広がり、抗議デモが繰り返されている。

Reuters
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