世界の新型ウイルス感染10万人突破、伊・イランなどで拡大目立つ

2020/03/07
更新: 2020/03/07

[ロンドン 6日 ロイター] – 世界の新型コロナウイルス感染者数が6日、10万人を突破した。中国での感染ペースが鈍化する一方、イタリアやイラン、韓国など、中国以外での感染拡大が際立っている。

政府・保健当局者の情報に基づくロイターの集計によると、感染者数は10万0300人超。この日は新たに6カ国で初の新型ウイルス感染が確認された。これまでに感染は90カ国超に広がり、世界全体での死者は3400人を超えている。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は「新型ウイルスは地理的に拡大しており、懸念が深まっている」と述べた。その上で「グローバル化した世界において、各国の団結が唯一の選択肢だ」とし、封じ込めに向け世界各国の協調を促した。

感染が深刻なイタリアではこの日、新型ウイルスによる死者が49人増加し、197人に達した。1日当たりの死者数としては同国で初の感染が確認されてから最多。また、死者数も中国以外で最も多い。感染者も4636人と、前日の3858人から増加した。

イラン保健当局は新型コロナウイルス感染の死者が過去24時間で17人増え、計124人になったと発表。感染者数も前日から1000人超増加し、4747人に達した。

韓国疾病予防管理局(KCDC)によると、国内の新たな感染者は505人と前日の760人から減少した。しかし累計では感染者は6593人で、死者は44人となっている。

また、韓国政府はこの日、日本人に対する査証(ビザ)免除措置を9日から停止すると発表した。日本政府が韓国などからの入国者抑制策を打ち出したことへの対抗措置とみられる。

米国ではこれまでに約230人の感染が確認。この日はコロラド、メリーランド、テネシー、テキサスの各州とカリフォルニア州サンフランシスコで初の感染が確認された。死者も15人に増加した。

トランプ大統領は同日、総額83億ドルの新型コロナウイルス対策法案に署名し、同法が成立した。ワクチンや検査キット、治療法の研究開発に30億ドル超が充てられるなど、トランプ政権が当初要求していた25億ドルを大幅に上回る規模になった。

企業も対応に追われている。米モルガン・スタンレー<MS.N>はセールス・トレーディング部門について、ロンドン勤務の一部社員をヒースロー空港近くに、ニューヨーク勤務の一部をウエストチェスター郡に移す。また9日から一部社員の在宅勤務を開始する。

仏ソシエテ・ジェネラル<SOGN.PA>はロンドンで働く社員50人以上を6日に在宅勤務としたほか、米バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>はニューヨークで働く社員のうち100人をコネチカット州スタンフォードに9日付で移動させる。

米アップル<AAPL.O>は、カリフォルニア州北部のシリコンバレーにある本社で勤務する従業員1万2000人に対し、可能ならテレワーク(在宅勤務)を行うよう要請した。

またフェイスブック<FB.O>はシンガポールから英国を訪れた従業員が新型ウイルスに感染したとして、ロンドン事務所を9日まで閉鎖すると発表した。

*写真を変更しました。

Reuters
関連特集: 国際