新型コロナによる経済縮小、数十万人の子どもを死に追いやる恐れ=国連報告

2020/04/17
更新: 2020/04/17

[国連 16日 ロイター] – 国連は16日に発表したリポートで、新型コロナウイルスによる世界経済の縮小により、今年は数十万人の子どもが死亡し、数千万人が貧困に陥る可能性があると警告した。

リポートはまた、毎日の安定した栄養源として学校給食に依存している子どもが世界143カ国に3億6900万人おり、彼らはいまそうした食事の機会を別の場所に探すことを強いられていると指摘した。

グテレス国連事務総長は、「子どもたちに対するこうした脅威の一つ一つに対し、いま行動しなければならない。指導者は、パンデミック(感染症の世界的流行)による影響を緩和するため、力を尽くさなければならない」と述べた。

また、「公衆衛生の非常時から始まったこの事態は、一人も置き去りにしないという世界の約束に対し、恐るべき試練を雪だるま式に拡大している」と指摘した。

ロイターの試算によると、世界の感染者は200万人超、死者は世界の213の国と地域で13万8000人となっている。

米国と中国の研究によると、子どもは成人に比べ、感染しても無症状または軽症となる確率がより高いとみられている。

だが国連のリポートは、「世界的な経済の下降により家庭に生じている経済負担から、今年は過去2、3年の年間減り続けてきた小児死亡率の傾向が逆転し、数十万人の子どもが新たに死亡する可能性がある」とした。

また、今年は4200万から6600万人の子どもが新たに極貧状態に陥る可能性があるとしている。

さらに、188カ国で全土の学校が休校となっており、15億人の子どもが影響を受けていると指摘。「今日の若年層の学習と人的資本形成に対して生じ得る損失は計り知れない」との見解を示した。

Reuters
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