経済は100年に一度の危機、2次補正は規模感持って編成=安倍首相

2020/05/15
更新: 2020/05/15

[東京 14日 ロイター] – 安倍晋三首相は14日夕に会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制できつつあるとして、全国39県で緊急事態宣言を解除すると正式発表した。残り8都道府県についても、21日に専門家の見解を踏まえ、可能であれば31日の期限を待たずに解除する。

安倍首相は、新型コロナの感染拡大による世界経済の現状を「リーマン・ショックと比較にならない、100年に一度の危機」と表現。2020年度第2次補正予算の編成に着手すると正式発表し、「この状況に十分な規模」とする意向を示した。

20年度第1次補正予算が4月末に成立したばかりだが、緊急事態宣言などによる経済活動収縮を受けて異例の2次補正が必要と判断した。安倍首相は、雇用調整助成金の上限を現状の日額8330円から1万5000円に引き上げると明言したほか、家賃負担軽減給付金や学生支援策も盛り込むと強調。感染長期化で経営が懸念される企業を対象に、「必要があれば、十分な資本性資金投入を可能にする」と述べた。

解除に当たっては、1週間当たりの新規感染者が10万人あたり0.5人以下に低下したなど医療体制、検査体制を目安に判断したと説明。39県は今後、感染者の小集団(クラスター)対策で感染拡大を防止できるとの判断を示した。

もっとも、解除された地域でも、外出自粛は要請しないが「人との接触は減らして欲しい。県をまたいだ移動も控えて欲しい」と訴えた。

また、感染者の増加スピードが高まれば、2度目の緊急事態宣言もあり得るとした。緊急事態宣言の根拠となる新型コロナ特措法は、外出自粛などにより強制力あるものへ法改正が必要か、感染終息後に検証するという。

<「国会のことは国会が決める」、検察庁法改正で>

検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案について安倍首相は「今回の改正で三権分立侵されることない」、「恣意的人事が行われることない」と述べた。野党が求めている幹部の定年延長削除など法案修正の可能性を巡っては、「国会のことは国会が決める」と述べるにとどめた。

学校休校の長期化を受けて9月入学の導入が議論されているが、安倍首相は「選択枝として前広に議論する」としつつ自民党内にも反対論があるとし、「拙速な判断は避ける」と慎重な姿勢を示した。

*見出しと内容を更新しました。

(竹本能文 編集:田中志保)

Reuters
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