米国 商船にイラン水域回避を勧告 イランは反対派を弾圧

2026/02/10
更新: 2026/02/10

米国政府は2月9日、ホルムズ海峡を通過する商船向けの新たな指針を発表し、米国旗を掲げる船舶に、可能な限りイラン側水域から距離を取るよう求めた。最近、米国とイランの緊張が高まり、イランは米国旗を掲げる商船を妨害した経緯がある。

米国運輸省海事局(MARAD)は週一に公表した最新指針で、米国旗を掲げる商船に対し、航行の安全を損なわない範囲でイラン領海から可能な限り離れるよう勧告した。指針は「これらの水域を通過する米国旗商船は、安全を損なわない限りイラン領海からできる限り離れることを推奨する」と明記した。また、イラン軍が乗船を要求した場合は口頭で拒否するよう求める一方、イラン軍が実際に乗船した場合には乗組員は物理的抵抗を行うべきではないとも記載した。

米国政府がこうした措置を取った背景には、イランが過去にホルムズ海峡の閉鎖を示唆し「密輸の疑い」を理由に商船やタンカーを拿捕してきた経緯がある。

米中央軍(CENTCOM)は、2月3日にイラン革命防衛隊(IRGC)の船舶2隻と無人機1機が、米国旗を掲げ米国人乗組員が運航する商船に高速で接近し、乗船とタンカー拿捕を威嚇したと発表した。CENTCOMは、米海軍の駆逐艦が現場に急行し当該タンカーを護衛して航行を継続させ、事態のエスカレートを回避したと説明した。

同日、イランの無人機1機が米海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」に接近し、米軍が当該無人機を撃墜した。

米軍はペルシャ湾に部隊を集結させているが、米国政府はイラン核問題について外交的解決を模索している。先週10日、米国とイランはオマーンの仲介で協議を行い、協議継続で合意した。ただし、イランは核問題に限定した協議を望む一方、米国は弾道ミサイル制限、地域武装勢力への支援停止、人権問題も議題に含めるよう求めており、立場の隔たりは大きい。

今回の緊張の背景には、イラン政府による市民抗議への強硬な弾圧がある。イラン国営メディアは、当局が反対派への逮捕や取り締まりを強化し、反対派指導者の刑期延長を進めていると報じた。

イラン国営ファルス通信は、イラン治安当局が改革派高官らに対する一斉逮捕を実施し、イスラム体制転覆を企てた疑いで「憲法に反対した」「外国勢力と結託した」「降伏を扇動した」などの罪を適用したと伝えた。

イランの弁護士は、2月7日にノーベル平和賞受賞者で活動家のナルギス・モハンマディ氏が革命裁判所で判決を受けたと確認した。ナルギス・モハンマディは従来の13年9か月の刑期に加え、「集会および結託」「宣伝活動」の罪で7年の禁錮刑を言い渡された。さらに、2年間の出国禁止と、テヘラン南東約740キロの遠隔地への2年間の流刑処分も科された。