欧米の海岸や公園に再び活気、封鎖の部分解除受け 一部でデモも

2020/05/18
更新: 2020/05/18

[17日 ロイター] – 新型コロナウイルスの感染が深刻化した米ニューヨーク州やイタリア、スペインの当局が感染拡大を抑えるための封鎖措置を徐々に解除する中、週末は一部で真夏のような陽気となった欧米の海岸や公園などに多くの人が訪れ、久しぶりに活気を取り戻した。

感染再拡大の懸念が残る中、多くの場所で人々は互いの距離を広く取り、マスクを着用する人も一部でいた。一方、ドイツや英国、米国などでは政府による行動制限が個人の自由な活動を阻害し、経済を破壊していると訴える抗議活動が繰り広げられた。

ギリシャでは16日、500カ所以上でビーチが開放され、多くの人でにぎわった。南欧に熱波が到来する中、気温は34度まで上がった。

ただ、ビーチパラソルのスタンドは4メートルの間隔を開け、ビーチテントは1メートル以上離して設置するなどの制限がある中での再開となった。当局は市民の新型コロナ感染を防止しながら、多くの人が生計を立てる観光業を再活性化するという難しいかじ取りを迫られている。

ニューヨーク市ブルックリン地区のドミノパークでは、日光浴やピクニックを楽しむ人が安全な間隔を保てるよう、芝生に白い丸が描かれた。春らしい陽気となった16日午後にパークを訪れた人々の約半数は、マスクなどで顔を覆っていた。マスク姿の警察官の姿も見られた。

フランスのコートダジュール地方の海岸では、海水浴を楽しむ人の多くがマスクを着用していた。釣りとサーフィンも解禁となったが、日光浴は禁止されている。

同地方の最大都市ニースのやや閑散とした海岸を歩いていた地元の男性は「半分開放された」との感想を漏らした。

<欧米の一部ではデモも>

中東イスラエルのテルアビブでは、涼しさを求めて地中海やヨルダン渓谷の海岸に人が集まったが、互いの距離は一定間隔に保たれた。

死海に海水浴に訪れた女性は「温水と暑い気候が、コロナを遠ざけてくれると願っている」と語った。

前週に新型コロナの新規感染者が4日連続でゼロだったチュニジアでは、市街地や最近開店した店舗に人々が密集する光景が見られた。

イスラム教の断食月(ラマダン)は近く明ける予定で、お祝いのために消費が盛り上がるとみられる。

一方、欧米の少数の場所では行動制限への抗議活動が繰り広げられた。米国のミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの各州では、早期の封鎖解除を訴えるデモにライフル銃や拳銃を抱えた参加者も加わった。

ドイツでも16日に数千人が行動制限に抗議するデモに参加し、ポーランドの首都ワルシャワでは警察がデモ隊を強制排除するために催涙ガスを用いた。

ジョンソン首相が封鎖措置の部分的解除を発表してから初めての週末となった英国では、ロンドンのハイドパークでソーシャルディスタンシング(社会的距離)措置に故意に違反し、抗議の意を示した19人が警察に逮捕された。

ただ、17日のロンドンのグリニッジ公園では子どもたちが木登りやサッカー、フリスビーなどをして遊び、芝生では複数のグループが一定の距離を保ちながら日光浴を楽しむなど、平穏な光景が見られた。

Reuters
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