北朝鮮の金委員長、5月も3週間姿見せず「異例の事態」=専門家

2020/05/22
更新: 2020/05/22

[ソウル 22日 ロイター] – 専門家によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は4月に続き、5月も3週間にわたり公の場に姿を見せておらず、「異例の事態」となっている。

金委員長が4月から現時点までに公の場に姿を見せたのは4回。昨年の同時期は27回だった。

ソウルを拠点に北朝鮮の動向を追う団体、コリア・リスク・グループのチャド・オキャロル最高経営責任者(CEO)の集計によると、金氏が2011年に最高指導者となって以来、4─5月に公の場に姿を見せた回数が最も少なかったのは2017年の21回だという。

同氏は今週、ツイッターで「現在の状況は異例だ」と投稿した。

北朝鮮でも新型コロナウイルス流行を受けて集会中止などの措置が取られており、韓国当局者は金氏が感染を予防するため、公の活動を減らしているとの見方を示している。

韓国の統一省は22日、金氏が公の場から姿を消すことはよくあると説明した。

一方、韓国の中央日報は韓国政府筋の話として、金氏が東部・元山(ウォンサン)の別荘で執務している可能性があると報じた。

北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、金氏が今月1日に平壌北方にある肥料工場の完工式に出席したと報道。金氏の動静が伝えられたのは4月11日以来で、その間には金氏が心臓の手術を受けたと韓国メディアが報じるなど、健康不安説が取り沙汰されていた。

国営メディアは今月初めの報道後、金氏の外交文書のやり取りに関する報道を続けているが、金氏の公の場での活動は伝えていない。

金氏が公の場に姿を見せない期間が最も長かったのは2014年の40日間。韓国情報機関は、金氏がこの間に足首の治療を受けたと明らかにした。

Reuters
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