インドネシアが米中けん制、外相「対立に巻き込むな」

2020/09/09
更新: 2020/09/09

[ジャカルタ 8日 ロイター] – インドネシアのルトノ外相は8日、米国と中国に対して「われわれは米中の競い合いに巻き込まれたくない」と述べ、東南アジアへの影響力を巡る両国の競争を巡ってけん制した。ロイターのインタビューに応じた。

今週は域内外相との主要な会談を控え、米中の外相との会談も予定されている。

南シナ海で今年に入って軍事活動が盛んになっているほか、米中は非難の応酬を繰り広げており、東南アジア諸国では域内で軍事衝突が起きる危険性が増しているとの不安が高まっている。

米国のポンペオ国務長官と中国の王毅国務委員兼外相はそれぞれ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の同調を求めるため域内の外交を強化している。

ルトノ外相はASEANが断固として中立的立場を維持しなくてはならないと強調した。

南シナ海を巡っては、中国がほぼ全域を自国の領海と主張しているほか、ベトナムとマレーシア、フィリピン、ブルネイが一部海域の領有権を主張している。

米国は今年、中国が海域を主張する領域で「航行の自由」作戦を展開。2014年以来初めて域内に空母2隻を送り込んだほか、潜水艦や偵察機を編成した。

中国もまた、中距離弾道ミサイル4発を南シナ海に発射するなど、軍事演習を強化している。

ルトノ氏は南シナ海で軍事活動が活発になっていることや米中の対立について「憂慮している」と懸念。ASEANが先月に出した共同声明では、加盟国が団結していることや米中どちら側にもつかず平和を追求する姿勢を示すと表明した。

ルトノ氏はまた、ミャンマー政府の迫害を受けイスラム系少数民族ロヒンギャ難民がインドネシアに逃れてきた問題について、ミャンマー外相と話し合うと説明。「難民が安全に、自主的に帰還できるようミャンマー政府と対話を続けることが非常に重要だ」と話した。

Reuters
関連特集: 国際