中国企業に投資する3つのリスクを警告=米議会報告書

2020/10/09
更新: 2020/10/09

米議会の諮問機関である米中経済安全保障調査委員会(USCC)は5日、米国の主要証券取引所に上場している中国企業についての投資リスクを警告する報告書を発表した。

USCCの報告書によると、10月2日現在、米国の主要証券取引所(ナスダックニューヨーク証券取引所、アメリカ証券取引所)に上場している中国企業は少なくとも217社で、うち13社は中国国有企業であり、総市場価値は2.2兆ドルに達しているという。

同報告はまた、中国企業の多くが透明性を欠く海外登録企業を利用しているため、実際にはもっと多い可能性にも言及した。

USCCは、「中国企業への投資リスクは非常に高い」とし、その3つの投資リスクについて詳述した。

透明性の欠如「不正財務報告詐欺」の頻発につながる

2013年に米中の監査監督当局間で「開示規制」協定を締結したにも関わらず、米国に上場する中国企業は長年にわたり米国の開示要請を回避している。その監査状況をほとんど把握できていないというのが現状である。

同協定の監督を担う米公開会社会計監督委員会(PCAOB)が列挙した監査不能な企業リストによると、全260社のうち238社が中国または香港企業であることがわかった。

USCCは、これらの企業は「国際監査基準に準拠していないため、財務諸表の信頼性も欠けている。その結果、評価や投資に影響を及ぼしている」と指摘した。

不正会計で米取引所ナスダックへの上場が廃止となった、中国コーヒーチェーン大手のラッキンコーヒー(Luckin Coffee)の事件も、不透明な財務諸表によって引き起こされる投資リスクを示している。同企業は、主要な収益、運用および顧客フローなどのデータを操作し、新規上場期間中に5.61億ドルの資金を調達し、市場価値は一時期120億ドルにも達した。そして、偽造が発覚して数週間以内で、株価は急落し、投資家たちに深刻な損失をもたらしたのち、上場廃止となった。

広く使われている「VIE構造」 中国では合法でない可能性も

中国政府は、安全保障や国内産業の保護などを理由に、インターネット、鉄鋼、教育、メディア、農業などの特定の産業を対象に、外国企業による直接投資や外国投資家による出資など、外資の参入を厳しく制限している。

これらの制限を回避し、米取引所に上場して資本を調達したい中国企業は、VIE構造(変動持分事業体スキーム)を利用して外国企業体を「作成」している。

報告書によると、2019年に北京大学光華管理学院の実務教授であるポール・ギリス(Paul Gillis)氏は、米国に上場している182の中国企業を調査した結果、うち125社がVIE構造を利用していることを発見したという。

「中国ではVIE構造の法的地位が疑わしいため、中国当局は事業停止などの管理措置を講じる可能性があり、危険である」と中国の法律に精通しているスティーブ・デッキンソン(Steve Dickinson)弁護士は警告した。

中国企業がもたらす国家安全保障上のリスク
USCCは、中国企業への投資は投資者に経済的損失をもたらす可能性が高いうえに、監視・監視技術開発や中国軍事技術への支援など、米国の国益に反する行為を支援する可能性もあると指摘した。

その1つの例として、ウェイボー(微博)を取り上げた。同社は中国政府の指示の下で投稿を検閲し、また中国当局の抗議活動への監視および検閲を支援していると報告書に記されている。

中国共産党政府が2017年に公布し、同年より施行開始した「国家情報法」は、中国人全員および中国のいかなる組織も、当局の情報活動への協力を義務付け、支援の提供を拒否すれば処罰が科せられる。

中国共産党中央弁公庁が9月15日に、中国でビジネスを展開する香港とマカオの企業家も含む民営企業に対し、統一戦線工作を強化するよう指示した。

報告書は、この指針で「自分は常に党の支部であり、党によってしっかりと管理していることを民間企業に思い出させた」とアナリストの言葉を引用した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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