大紀元時報

中国、海警法草案を発表 武器使用や防衛作戦参加を明文化 

2020年11月08日 20時43分
中国共産党は、中国海警の武器使用や防衛作戦参加を明文化する。写真は2014年、ベトナム海上保安局が中国海警と対峙する様子( HOANG DINH NAM/AFP via Getty Images)
中国共産党は、中国海警の武器使用や防衛作戦参加を明文化する。写真は2014年、ベトナム海上保安局が中国海警と対峙する様子( HOANG DINH NAM/AFP via Getty Images)

中国の全国人民代表大会(国会相当)は11月4日、中国海洋警備局(海警局)の権限を定める「海警法」草案の全文を公表した。中国が主張する海域で「違法」に活動する外国船に武器の使用を認めると明記した。東シナ海や南シナ海などの係争地域における武器使用の正当化を図っている。

中国軍を管轄する中央軍事委員会は、9月末に使用武器に関する同法を提案した。法案は、12月3日までの意見公募の後に採択される。

海警法ではさらに、中央軍事委員会の命令に基づき、海警局が「防衛作戦の任務」にあたるとも明記されている。しかし、同法の定める中国の「管轄水域」には具体性がなく、どの水域で中国公船が法執行を行うのかが不透明だ。

中国海警局やその他の海上法執行機関がこの「管轄水域」で、中国側が「違法」行為を行っているとみなした外国の船舶に対して、警告を発するほか、小銃などの小型武器や甲板搭載の艦載砲(Deck Gun)などの船舶用の武器を使用できると明記している。

法執行機関に対する武力行使と許可の見直しを定めた草案第6節には、「海上法執行機関の職員は、犯罪者の性質、程度および緊急性から武器の使用について合理的な判断を行う」とある。

中国政府は、日本の尖閣諸島の周辺海域、南シナ海、台湾周辺において、管轄権の主張範囲を拡大させ、自国法を他国領域まで行使しようとする動きを広げている。

米海軍大学の研究員ハンター・スティアーズ(Hunter Stires)氏は、中国の海警法は、他の係争地域の政府に近づかせないよう威嚇のためだと考えている。ラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューで、「船員たちが中国の法令を『順守』するようになれば、やがて中国法が国際的な慣習になる」と懸念を示した。

海警法により、他国の漁業従事者など民間船員は、まず警戒して南シナ海や東シナ海などを避けるようになる。今年、沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海で操業中の日本漁船は、中国海警局の公船に追尾されるなどの事態が起きている。

実際に、中国の沿岸警備隊と公安部は9月、麻薬密売の容疑者を逮捕した。他の6カ国政府との間で領有権を争う地域での出来事だが、他国との条約もなく、中国は自国の法を執行した。

中国は南シナ海のほぼ全域を「九段線」と表現して「歴史的な権利」があると主張している。しかし、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムが主張する海域とそれぞれ重なっている。

中国海警局は、2018年3月に中国軍の最高指導機関である中央軍事委員会の指揮下にある武装警察部隊(武警)に編入された。今回の海警法により、軍事組織としての海警局の機能が明白になったとみられる。

海洋で拡張行動を続ける中国は、海警局に加え、訓練された民間漁船員である「民兵」も活用している。この動きは、オーストラリアの独立系研究所・Future Directions Internationalが10月13日に発表した分析レポートでも指摘されている。

この報告によると、中国漁船は法律のグレーゾーンや各国の排他的経済水域で世界最大規模の「違法、無報告、無規制(IUU)」漁業を行っているとし、影響力拡張や戦略的利益を得るために、大量の漁師を軍隊と連動する「海上民兵」として採用しているという。

(翻訳編集・佐渡道世)

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