大紀元時報

中国、工場や病院などに電気使用制限 豪産石炭輸入禁止で電力不足か

2020年12月17日 21時15分
世界最大の鉱業企業、オーストラリアBHPグループの鉱山(Ian Waldie/Getty Images)
世界最大の鉱業企業、オーストラリアBHPグループの鉱山(Ian Waldie/Getty Images)

中国当局はこのほど、浙江省、湖南省、江西省など各地の政府機関や企業に対して、「電気使用の制限と操業停止」の緊急通知を出した。中豪関係の悪化で、中国当局が豪産石炭の輸入を禁止したことが背景にあるとみられる。

中国のSNS上では、各地のネットユーザーが相次いで地方政府からの緊急通知を受けたと投稿し、通知の写真を掲載した。

輸出関連企業の多い浙江省義烏市、寧波市、温州市などの企業の従業員によると、緊急通知は市内のすべての加工工場に対して、12月31日まで操業を停止すると命令した。また政府機関に対して、気温が3度以上であれば、エアコンや暖房器具を使用してはならないと指示した。ネットユーザーによれば、当局は電気供給事業者を通して、各企業や政府機関の電気使用状況を追跡し、指示通りに操業停止しなかった企業などに対して、20日間強制的に電気を止めるとした。

義烏市の企業で働いている張梅さん(仮名)は、大紀元に対し、「今年は本当に大変だ。義烏市の企業は次々と生産を止めた。年末は1年間で最も忙しい時期なのに、電気を使ってはいけないと言われた。これからどうなるかわからない」と不安を隠せなかった。

義烏市の物流企業もこの影響を受けているため、輸出関連企業は製品を出荷できなくなっているという。同市の通知では、企業のほかに市内の学校、病院、銀行、スーパーマーケットなどにも、暖房器具とエレベーターの使用を禁止した。

義烏市後宅街道弁事処の通知(スクリーンショット)

ネットユーザーは、「中国の南方では、冬になっても集中暖房システムがないから、エアコンで暖を取っているのに。電気使用制限で暖を取れなくなるのではないか!あと、製造業もダメになるだろう。2週間以上の操業停止は、零細企業にとって致命的だ」と非難した。

湖南省、内モンゴル自治区、江西省など各地の地方当局も、電気使用制限について通知を出した。

湖南省長沙市政府は、「市内にあるすべてのエアコンを20度以下に設定する」「電子レンジなど、大量に電気を消費する家電製品の使用を控えるように」と指示。同省益陽市政府は、午後5時から8時まで、景観照明灯を全部消灯し、道路照明灯の半分を減灯するとした。

湖南省当局の通知(スクリーンショット)

上海市のネットユーザーは、「関連通知は見ていないが、図書館ではもう寒くてコートを脱げない。家のアンペアブレーカーは何回も落ちた。今までこんなことはなかったのに」と書き込んだ。

各地のネットユーザーは、電気使用制限で生活や仕事に支障をきたしていると不満をぶちまけた。

「オフィスビルのエレベーターが使用停止になったから、23階にある会社のオフィスまで階段を上り続けないといけない」

「空が暗くなった夜、街灯を全部消灯すると、犯罪率は上がるのでは?夜の帰り道が怖い」

「病院も停電になった。現場は混乱している。病状が急に悪化した患者のCT検査もできない。新人看護師は、室内が暗いから全く注射できない。電気の備蓄は本当に重要だ」

「電気制限って?このような寒い日はもう凍死しそうだ。高層マンションに住む年配者はどうすればいい?」

豪州制裁のブーメラン

中国当局は今回の電力不足について、「電力発展第13次5カ年計画(2016~20年)」の一環と気温の急低下が原因だと説明。同計画は、老朽化した石炭火力発電所を廃止し、石炭火力発電所の増加を抑え、非化石エネルギーの発電所を増やしていくとする。

一方、中国国内のセルフメディアは、オーストラリアへの制裁措置として、同国からの石炭輸入を禁止したことが最大の要因だと示した。セルフメディアによると、今年10月、各地の発電所の石炭在庫には問題がなかった。しかし、その1カ月後、石炭価格が急に値上がりした。

ブルームバーグはこのほど、オーストラリア産の石炭を積んだ船舶66隻が、中国の港湾沖に足止めされ、荷降ろしができていないと報道した。このうちの53隻の船は中国の港で1カ月以上、中国当局の指示を待っていた。53隻には約520万トンの石炭が積んでおり、1000人以上の船員が乗り込んでいる。

今年初め、世界各地で中共ウイルス(新型コロナウイルス)が大流行した問題で、オーストラリア政府は、中国当局の初動対応を批判し、ウイルスの感染源について独立調査を行うよう国際社会に呼びかけた。中国当局は報復措置として、11月初めまでに、オーストラリア産の石炭、ワイン、砂糖、ロブスター、大麦などの商品の輸入を制限した。

中国セルフメディアによれば、オーストラリア産の石炭が輸入できないため、発電所はインドネシア産やロシア産の石炭を代わりに使用した。しかし、オーストラリア産の方が品質が良い。

中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のユーザーは、「(国民が)凍死するかどうかは重要でない。メンツを保つのが(中国当局にとって)一番大事!」とバッシングした。

(翻訳編集・張哲)

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