大紀元時報

中国は世界レアアースの70%以上を供給 サプライチェーン多様化は急務

2021年03月04日 21時36分
オーストラリアのWollongongにあるDendrobium炭鉱の概観(Brook Mitchell/Getty Images)
オーストラリアのWollongongにあるDendrobium炭鉱の概観(Brook Mitchell/Getty Images)

これまで中国がほぼ独占的に希土類鉱物を供給している状態にあったが、米国とそのインド太平洋地域の提携諸国が「脱中国依存」の動きに乗り出した。希土類鉱物は防衛技術に不可欠である。たとえば、各F-35ライトニングIIステルス戦闘機1機の製造に400キログラム超の希土類材料が必要となる。そのため、その供給状況は大きな安保懸念となる。

ワシントンDCに本拠を置くシンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によると、中国は世界の希土類鉱物の70%以上を供給している。中国はその立場を乱用して、同地域の諸国に圧力をかけている。2010年には日本への希土類鉱物の輸出制限を検討すると発表していた。

オーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズ社のデビッド・ウッドオール業務執行取締役は、「希土類(レアアース)の採掘・加工から完成品の製造に至るまで、希土類の統合サプライチェーンを構築しているのは中国のみである」とし、「これにより世界市場において中国の優位性が確立されている」と説明している。

ホールガーテン&カンパニー社で鉱業戦略を専門に扱うストラテジストであるクリストファー・エクルストン氏は、「中国企業はビルマなどで希土類や他の鉱物の略奪に加担しており、こうした地域では鉱業関連問題や環境問題が発生している。しかし、いずれにしても生の鉱石は中国に行き着くことになっている」とFORUMに語っている。グローバルサプライチェーンを多様化するための取り組みが進んでいると、エクルストン氏は付け加えている。

ウッドオール氏の説明によると、特に日本、韓国、米国では民生用途と防衛用途で使用される希土類鉱物の供給源を変更する動きが始まっており、次世代の鉱業プロジェクトでは、中国に対する競争力を高めるために新技術が使用されることになると考えられる。

オーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズ社は韓国のジルコニウム・テクノロジー社との提携により、オーストラリアの鉱床から採掘された資源を利用して相当量の希土類鉱物や希少な重要鉱物を生産している。ウッドオール氏の見解では、この両社のプロジェクトは世界的な影響を与える可能性がある。

ウッドオール氏は、「希土類金属(レアメタル)は需要が高くて供給に限りがあるだけでなく、必要な素材の特性を得られる代わりの元素がない」と説明した上で、中国を拠点とする供給業社とは異なり、上記2社の合弁事業では革新的なクリーンプロセスを用いて金属を加工し、「安全かつ持続可能な安定した統合供給源として、中国に代わって希土類金属を世界のサプライチェーンに供給している」と述べている。

中国を除けば、オーストラリアのライナス・レアアース社は世界最大の希土類元素の採掘・処理企業である。近年、オーストラリアにおける採掘事業の推進およびマレーシアの東海岸に所在するレアアース精錬工場「ライナス・アドバンスド・マテリアルズ・プラント」の改修を目的として、日本企業がライナス社に投資している。

2020年、希土類鉱物の米国内生産の拡大に焦点を当てた工場建設計画について、ライナス社は米国国防総省から12億4,000万円相当(1,240万米ドル)の資金援助を受けることで合意したが、2021年2月1日、同国防総省は同工場建設に30億4,000万円相当(3,040万米ドル)の資金援助を行うことを決定したと発表した。 同国防総省は声明で、「同計画が成功すれば、ライナス社の希土類元素酸化物の生産量は世界全体の約25%に達する」と発表している。 

(Indo)

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