大紀元時報
<オピニオン>

今のアメリカを予言した元KGBエージェント

2021年4月26日 11時28分
ホロドモール犠牲者記念館の前で泣く女性(Sergei Supinsky/AFP/Getty Images)
ホロドモール犠牲者記念館の前で泣く女性(Sergei Supinsky/AFP/Getty Images)

2020年大統領選が終わり、多くのアメリカ人は得体の知れない違和感を抱いている。何かが違うと感じつつ、それが何であるのかを特定できず、困惑している。

自分の問題点は、ライバルの目を通して見ると分かる時がある。かつての敵、ソ連の言葉がヒントを与えてくれるだろう。

元KGBエージェントの予言

1970年に西側に亡命したKGBエージェント、ユーリ・ベズメノフ氏は1985年のインタビューで、ソ連の対米戦略について明かした。アメリカに浸透し、イデオロギー工作によって内部から転覆する計画だ。

「マルクス・レーニン主義のイデオロギーが、少なくとも3世代にわたりアメリカの学生の柔らかい頭に注入される」

「アメリカの風紀を乱すプロセスは基本的に完了している…そのほとんどは、アメリカ人がアメリカ人に対して行っており、これは道徳基準の欠如のおかげである」

ベズメノフ氏によると、イデオロギーの浸透が進めば、事実は問題にならないという。道徳が堕落した人は、真の情報を評価することができないからだ。

「たとえ私が文書や写真付きの十分な情報と真の証拠を与えたとしても、彼は事実を受け入れない。私が彼を無理やりソ連に連れて行き、強制収容所を見せたとしても、彼は自分の太い尻が蹴られるまで信じようとしないだろう」

「これこそ道徳が堕落した状況の悲劇だ」

目を見張る内容である。ベズメノフ氏が35年前に描いたことが、目の前で起こっている。憲法と三権分立に基づき、民主主義の模範とさえ言われたアメリカの制度は、2020年大統領選の試練に耐えることができなかった。数多くの不正の証拠が意図的に無視され、様々な人が政治的な脅迫を受けた。アメリカの制度に対する深い失望と不信感が人々の間で広がっている。

最も憂慮すべきは道徳の堕落である。彼が指摘する通り、「道徳基準の欠如のおかげで」、今はアメリカ人同士が戦い、そのプロセスを歩んでいる。

ベズメノフ氏によれば、イデオロギーを使った国家の転覆には「士気喪失」「不安定化」「危機」「正常化」の4段階があるという。

第1段階は1世代を育てるのに必要な15年~20年ほど続き、国民を共産主義イデオロギーで洗脳する。メディアや学術界への浸透も不可欠だ。

第2段階は社会の「不安定化」である。通常2年~5年で実行し、経済、外交、防衛システムなどの現状を変更する。支配者らは大きな政府を作るために耳障りのいい公約を掲げ、人々の支持を得ようとする。メディアや学術界を十分に利用する。

第3段階は内戦、革命、外敵の侵入を引き起こし、「危機」を煽る。これには2~6ヵ月しかかからず、「使い勝手のいい馬鹿」(左翼の理想主義者)はこの段階で用なしとなる。彼らの理想が崩れることで体制側の障害になるため、アフガニスタンや中国で起きたように、排除されたり投獄されたりする。

第4段階は「正常化」、つまり人々が共産主義を受け入れ、同化していく時期である。このプロセスには20年かかる。

ベズメノフ氏の予言はいまだに生きている。共産主義の犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation)が毎年行っている世論調査によると、社会主義やマルクス主義を支持する若者が着実に増えている。世界経済フォーラムが提唱する「グレート・リセット」は、経済、国際関係、防衛システムを含む全てを根本的に変え、グローバル・ガバナンスを確立することを目指しているが、これはベズメノフ氏が言う「不安定化」のようにも見える。

彼は次のように警告している。

「アメリカは戦争状態にある。この国のシステムの基本原理と基盤に対する、宣戦布告のない総力戦だ」

「時限爆弾が時を刻んでいる。刻一刻と災難が近づいている」

「南極でペンギンと暮らしたいと思わない限り、アメリカ人には私のように亡命できる場所がない。ここが最後だ。ここが、最後の自由と可能性の国である」

彼の言葉を重く受け止める人は、どのくらいいるだろうか。この国の行く末を深く案じている。

(文・Jean Chen/翻訳編集・郭丹丹)


執筆者:ジーン・チェン

在米中国人のコラムニスト。

※寄稿文は執筆者の見解を示すものです。

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