大紀元時報

中国、若者の「横たわる主義」が議論呼ぶ 「非暴力による非協力運動」との見方も

2021年5月26日 19時35分
中国上海市で街を行き交う市民たち(NOEL CELIS/AFP via Getty Images)
中国上海市で街を行き交う市民たち(NOEL CELIS/AFP via Getty Images)

中国では最近、若者の間で「躺平(横たわること、または仰向けに寝そべること)主義」が流行している。専門家は、社会的・経済的な圧力に対する若者の絶望的な感情が浮き彫りになったと指摘した。

「躺(とう)平主義」という言葉は、金儲けをせずカネの奴隷にならないことや、生活水準に対して欲が低く贅沢な暮らしはいらない、マイホームを買わない、恋をしない、結婚をしない、子どもを産まない、職場での昇進を望まないことを指すという。

この言葉は、中国コミュニティサイト「百度貼吧」に掲載された投稿、『横たわることはすなわち正義である』に由来する。

投稿者は文の中で、「2年間ぐらい仕事をせずに遊んでいる。間違っていないと思う。圧力というのは、周りの人と比較した後の自分自身についての位置づけと、親の伝統的な考え方から来ている。圧力は常に現れる」と訴えた。投稿者は、「大樽を住処にしていた古代ギリシアの哲学者、ディオゲネス(Diogenes)に学び」、横たわり何もしないことを決めたという。

同投稿はすでに削除されたが、ネットユーザーによって他のソーシャルメディアに転載された。ネットユーザーの間で議論が繰り広げられ、「躺平学」という新しい言葉も生まれた。

中国版ツイッター、微博(ウェイボー)では、ジャーナリストの「重慶新聞哥」を含む一部のネットユーザーが、「躺平は暴力を使わない非協力運動だ」との見方を示した。また、ネットユーザーらは、「躺平」は「『ニラ』たちの声なき抗議で、やむを得ない行動だ」と指摘した。

中国の中下層の人々はネット上で、自分たちを中国当局に搾取されている「ニラ」と喩えている。

あるネットユーザーは、「躺平というのは、人々が将来に対して非常に失望し、社会の不公平に絶望していることの現れだ」と指摘した。

「自分の月収が1000元(約1万7000円)にも満たず、(生活のために)自分の家族と配偶者の家族からお金を借りなければならない時、一生かかってもマイホームが買えない時、あるいはようやく人生の目標に達した時に、すでに数世代にわたって贅沢に酒色におぼれ、すさんだ生活を送っている人がいることに気づいた。この時、あなたはどう思うだろうか」

「中国人口のうちの2%の人が、中国社会の80%の富を支配している。貧富の格差はますます広がっている。6億人の国民は月収が1000元もない。これが、ますます多くの人が欲を我慢し、『躺平』を選んだ理由だ」

中国政府系メディアは現在、「躺平主義」について批判を行っている。

中国人評論家の呉特氏は、「中国の若者は学力競争問題や就職問題、職場での勤務労働問題などで重圧を受けている。『躺平主義』はその消極的な抵抗方法である」と大紀元に語った。

呉氏は、中国の若者が実際に横たわって何もしないことは非常に難しいとした。「親に認められないだけでなく、収入がないため自分を養えないからだ。中国には完全な福利・生活保護制度がないので、働かないと飢え死にする」

同氏によると、中国当局は若者の絶望的な感情を不安視し、メンツを潰されたと感じているため、政府系メディアを通して批判を始めたという。

呉氏は「このような抵抗では、社会が変化しない」と否定的な姿勢を示した。

法曹界で働く許氏は、「中国人には努力の精神がまだある。しかし、自分がいくら努力しても報われないとわかった時、反抗的な感情が必ず生まれる。躺平というのは、若者の個人の選択肢にすぎない」と、「躺平主義」に理解を示した。

(翻訳編集・張哲)

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