大きなリバウンド起こさないことが重要、医療逼迫なら対策強化=菅首相

2021/06/17
更新: 2021/06/17

[東京 17日 ロイター] – 菅義偉首相は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発令していた9都道府県の緊急事態宣言の解除、および7都道府県のまん延防止等重点措置への移行などについて記者会見を行い、「引き続きの制限は心苦しい」としつつ、国民に協力を要請した。「何よりも警戒すべきは大きなリバウンドを起こさないことだ」と強調し、ワクチン接種を進め、医療崩壊を起こさないことが重要との認識を示した。「医療逼迫の兆しが見られたら、対策を強化するなど対処していく」とも述べた。

<尾身会長「リバウンド起きる要因かなりある」>

同席した政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「一番大事なのは感染のリバウンドが起きる要素があると認識すること」と指摘し、東京の新規感染者数の高止まりや、人流の増加、お盆・夏休みの季節的な感染拡大、そしてデルタ株など変異株の影響を挙げた。「ワクチン接種は感染を下げる要因だが、上げる要因がかなりある」とも述べた。

菅首相は、国内外で意見が分かれている東京五輪・パラリンピックの開催理由について、記者の質問に答える形で「プライドや経済ではない」と語った。五輪を開催する責任について「開催の最終決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にあるが、国民の安全・安心を守るのは私の責任」と述べた。

五輪開催時の感染拡大予防策として「訪日する選手や五輪関係者の検査やワクチン接種を徹底し、一般国民と交わらないようにする」と強調し、理解を求めた。

<「対中包囲網作らない」、G7で首相>

秋までに実施される衆院解散・総選挙を控え、内閣改造はあるかとの質問に対しては「さまざまな状況を考え、自分でしっかり判断したい」と述べるにとどめた。

11━13日に英国で開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)について、米英と独仏の間に対中包囲網形成を巡り溝があったのでは、との質問に対し、「マクロン仏大統領とも個別に会談した。対中包囲網などをわれわれは作らない。普遍的価値の共有が大事ということで一致している」と語った。

*会見の内容を追加しました。

 

(竹本能文)

Reuters
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