大紀元時報

バイデン・プーチンの米露首脳会談直前、ロシアが太平洋で軍事演習開始

2021年6月20日 10時57分
バイデン/プーチン米露首脳会談直前、ロシアが太平洋で軍事演習開始
バイデン/プーチン米露首脳会談直前、ロシアが太平洋で軍事演習開始

ロシアの国有通信社「RIAノーボスチ」(現「ロシアの今日」)によると、6月10日、ロシア海軍と空軍が太平洋遠方で軍事演習を開始した。

ニューズウィーク誌によると、ロシアの演習が始まったのは、「アジャイル・ダガー2021(Agile Dagger 2021/AD21)」演習の一環として世界各地で一連の多国間演習を継続的に実施している米国が、2021年6月、米国海軍・太平洋艦隊潜水艦部隊の3分の1を展開すると発表した直後であった。

ロシア国防省/index.html' target='newpage'>ロシア国防省が「艦隊の諸兵科連合が遠方海域で作戦演習を実施している」ことは認めているものの、この時期にロシア連邦軍が演習を実施した意図は定かではない。同省はまた、今回の演習には対潜戦訓練が含まれるとも発表している。

RIAノーボスチが伝えたところでは、約20機のロシア航空機および主にロシア海軍(RFN)太平洋艦隊所属の20隻に及ぶ水上艦艇、潜水艦、支援船が同演習に派遣されており、一部は基地から4,000キロ遠方まで飛行している。

AP通信によると、ロシア連邦軍が艦船50隻超と約40機の航空機を派遣し、複数回のミサイル発射演習を含めて2020年8月にベーリング海で実施した軍事演習と比較すると、同演習の規模は半分以下に過ぎない。

ロシア海軍を率いるニコライ・イェフメノフ(Nikolai Yevmenov)大将の発言によると、ベーリング海での軍事演習は北極圏におけるロシアの存在感の強化と同地域の資源保護を目的とするロシアの取り組みの一環であった、とAP通信は報じている。このロシア軍事演習が実施されたのも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック対策として、米国が主導する2020年の多国間海軍演習「環太平洋合同演習(RIMPAC)」が規模を縮小して実施されたのと同時期であった。

しかも、今回のロシア軍事演習は、6月16日にスイスのジュネーブで初のジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領の米露首脳会談が開催されるまで1週間を切った時点で開始されている。

6月9日、米国空軍・作戦部隊が拠点を置く英国空軍のミルデンホール基地で演説を行ったバイデン大統領は、米国がロシアとの紛争を望んでいないことを表明すると共に、安定性の維持および軍備管理・軍縮協定への準拠に関する両国の責任を強調している。

MSN.comが報じたところでは、バイデン大統領は、「米国はこの責任を真摯に受け止めている」と述べている。 しかし、同大統領は米国とその同盟諸国に対するサイバー攻撃や政治的干渉容疑といったロシアの攻撃的活動については警告を発している。

ニューズウィーク誌によると、同大統領は、「ロシア政府が有害な活動に従事するようなことがあれば、米国は堅固かつ有意義な方法で対応する構えである」とし、「米国はこの姿勢をすでに実証している。米国や欧州などを含む世界で民主主義の主権を侵害しようとすれば、それなりの代償を支払わなければならないことを明言しておく」と話している。

ロシア国防省/index.html' target='newpage'>ロシア国防省は6月10日、ロシア海軍演習中に太平洋上空のロシア管轄空域に米国の偵察機が接近したと発表した。ロシアが戦闘機を展開したことで、結果的に米国機は引き返している。

米国が世界規模で実施している一連の演習は、提携・同盟諸国との関係強化を目的とするものである。主に北大西洋条約機構(NATO)支援を目的とした米国主導の年次演習「ディフェンダー・ヨーロッパ(Defender Europe)」の2021年演習は、5月から6月にかけて、東南欧州に位置するバルカン半島と黒海における30か所超の領域で同盟諸国26ヵ国2万8,000人の兵士が関与して実施された。

ディフェンダー・ヨーロッパ21は、兵站の課題を克服し、はるか遠方に陸軍を迅速に展開できる米国の能力を実証するものである。

一方、2021年も実施された米国主導の一連の「パシフィック・ディフェンダー(Pacific Defender)」演習は米軍の提携・同盟諸国が団結して技能を共有し、インド太平洋地域における相互運用性を強化することを目的としている。範囲と規模の面で拡大を続ける同演習も同様に、米国本土からインド太平洋までを含む広大な範囲の必要領域に陸・空・海軍を迅速に展開する米国の能力を実証するものである。

一部のアナリストの見解によると、6月に実施されたロシア軍事演習の規模縮小は、資源不足により世界の複数地域における同時展開が不可能となっているなど、ロシア連邦軍が明らかに直面している持続可能性の問題に関連している可能性がある。

ロシア海軍・太平洋艦隊を演習として遠方に派遣することで、ロシア沿岸が無防備となり、ロシアという国の防衛の抜け穴が見えやすくなる。この愚かしいロシアの行動に疑問を呈するアナリストも存在する。 今回演習に派遣された艦船の中には、ロシア海軍のミサイル巡洋艦「ヴァリャーク(Varyag)」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ(Admiral Panteleyev)(写真参照:2019年にマニラ港に寄港した際の撮影)、フリゲート「マーシャル・シャポシュニコフ(Marshal Shaposhnikov)」、コルベット「グロームキィ(Gromky)」、「ソヴエルシェンヌイ(Sovershenny)」、アルダー・ツィデンザポフ(Aldar Tsydenzhapov)」、追跡艦「マーシャル・クルイロフ(Marshal Krylov)」が含まれている。ロイター通信が報じたところでは、長距対潜哨戒機「ツポレフ142MZ(Tu-142MZ)」と高高度迎撃戦闘機「ミグ31BM(MiG-31BM)」も同演習に参加している。  

一連の「ディフェンダー」演習は同盟・提携諸国に対する米国の取り組みのほんの一部に過ぎないが、同演習により、インド太平洋地域と欧州全体だけでなく、作戦上必要とされる全範囲であらゆる課題に対応できる米統合軍の即応能力を実証することができる。

(Indo-Pacific Defence Forum)

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