緊急事態解除の条件、ワクチン接種状況や重症者数など=菅首相

2021/08/26
更新: 2021/08/26

[東京 25日 ロイター] – 菅義偉首相は25日、緊急事態宣言などの適用対象地域の拡大決定後の記者会見で、9月12日の期限に宣言を解除できるかは新型コロナウイルスのワクチンの接種状況などによると指摘した。衆議院議員の任期は10月21日までとなっており、衆院の解散日程は選択肢が非常に少ないと認めた。野党などの要望が多い定額給付金の再支給については否定的な見解を示した。

<総裁選後の人事は白紙、国連総会への参加は未定>

菅首相は度重なる緊急事態宣言の延長・拡大について自らの責任を問われ、「医療体制の構築を最優先に、感染防止対策、ワクチン接種という3本の柱からなる対策を徹底し、この危機を何としても乗り越えていくことが、総理大臣として私に課された責任」と語った。

9月12日の期限に宣言を解除する条件については「ワクチンの接種状況や、重症者数を見て判断する」と述べた。同席した新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も「医療の逼迫については2つの側面から考えるべきで、コロナ患者に十分な治療を提供できているか、一般の医療への制限が許容できるレベルを超えているかどうかだ」と説明した。

菅首相は25日午前に行われた自民党の二階俊博幹事長との会談内容について、緊急事態宣言の拡大を踏まえて「感染状況を説明した」と述べた。

自民党の総裁選や衆院の解散日程に関する首相の現時点ての見解については「あす(26日)自民党の選挙管理委員会が開かれ、そういうことだ」とした上で、「解散・総選挙の選択肢は非常に少なくなっている。あくまでコロナ対策を最優先と度々申し上げており、そのような中で判断する」と語った。総裁選後の内閣改造の有無を問われると、「人事については白紙」と述べるにとどめた。

9月に予定されている国連総会や、日程を調整中の日米豪印首脳会談への参加は確定していないことを明らかにした。

<定額給付金の再支給に慎重>

国民や野党から要望の多い定額給付金の再支給については「事業者や個人が受けているコロナの影響はさまざまなので、それぞれの状況に十分目配りして対策するのが大事」と述べ、否定的見解を示した。

「今週中に1兆4000億円の予備費の使用を決定し、ワクチン接種の体制や中和抗体薬の確保といった緊急の課題に対応し、雇用調整助成金や緊急小口資金などを続けていくため、万全の予算措置を講じる」と強調した。

(竹本能文)

Reuters
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