大紀元時報

中国メディア、スパイ容疑のカナダ人実業家が「軍事設備を撮影」 ファーウェイCFO事件に圧力か

2021年9月4日 19時14分
2018年12月14日、中国北京市にあるカナダ大使館の前(GREG BAKER/AF/Getty Images)
2018年12月14日、中国北京市にあるカナダ大使館の前(GREG BAKER/AF/Getty Images)

中国官製メディア「環球時報」は1日、スパイ罪で起訴されたカナダ人実業家のマイケル・スパバ氏が中国の軍事設備などを撮影したと報じた。これまで事件の証拠は明らかにされていなかった。カナダ司法当局は来月、2019年に身柄を拘束した中国通信機器大手の最高財務責任者・孟晩舟氏の米国への身柄引き渡しについて最終結論を出す見通し。環球時報の報道は孟晩舟事件を巡って、カナダに揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

報道は匿名の情報筋の話として、スパバ氏は「複数回、中国軍事設備の写真や動画を撮影し、その一部を違法に海外に送った」と伝えた。

2018年12月、カナダ政府は米国の要請で、乗り継ぎのためバンクーバー空港に姿を見せた孟晩舟氏を逮捕した。

孟氏逮捕の数日後、中国当局はスパバ氏と元外交官のマイケル・コブリグ氏を拘束した。今年3月、北京市の地裁は、同じスパイ容疑をかけられたコブリグ氏の審理を非公開で行った。判決はまだ言い渡されていない。スパバ氏は8月11日、懲役11年の有罪判決を受けた。

カナダメディアによると、駐中国カナダ大使のドミニク・バートン(Dominic Barton)氏は8月、中国当局に証拠として採用された写真は、スパバ氏が中国の空港で撮影したものだと明らかにした。バートン大使は、写真に違法性はないと主張し、判決が「不当だ」と非難した。

環球時報は、スパバ氏が写真を撮影した場所について詳細を示さなかった。写真がどのように国家安全保障に危害を与えたかの説明もなかった。

カナダの地裁は10月21日、孟晩舟氏の米国への身柄引き渡しに関して最終的な判断を下す見通しだ。

カナダ在住の中国人評論家、馮志強氏は「中国当局は、この最終判断を待って、コブリグ氏への判決を決めるだろう」と大紀元に語った。

馮氏は、環球時報の報道はカナダ政府に対する圧力強化の一環だと指摘した。

人質外交、過去に前例が

中国当局は7年前にも、カナダに対して人質外交を展開した。

カナダ政府は2014年、米軍事技術情報を盗んだとして中国人富豪の蘇斌氏を逮捕した。蘇氏の身柄が米国に引き渡されるのを回避するため、中国当局は遼寧省丹東市に滞在中のケビン・ギャラット氏とその妻のジュリア氏を拘束した。その後、夫婦はスパイ行為と国家機密窃盗の容疑で起訴され、実刑判決を受けた。

夫婦は2年後釈放され、カナダに帰国した。

ギャラット氏の自著によれば、1984年当時、新婚だった二人は中国国防科技大学で英語を教えることになった。採用された理由は「若い2人はスパイのはずがないからだ」という。2014年8月、中国の私服警官に拘束された際、警官らはジュリア氏に「おまえはスパイだ」と叫んだ。取り調べでは中国の警官はギャラット氏に対して、「カナダ大使館の職員と面会する際に蘇斌氏との交換を要求しろ」と促した。

中国当局は同氏が撮影した23枚の写真を「非常に敏感な写真」と指定。そのうちの1枚は、中国と北朝鮮を結ぶ「友誼橋」の様子を捉えた。ギャラット氏は中国側の警官らに「橋の写真がなぜ敏感なのか」と質問したところ、「写真の角度が問題だ」との返答を受けたという。

(翻訳編集・張哲)

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