中国有名インフルエンサー、Papi醤(姜逸磊) (Visual China Group via Getty Images)

中共洗脳の邪魔?3000万人フォロワーのインフルエンサー「Papi醤」が事務所閉鎖 

中国で絶大な人気を博しているインフルエンサーPapi醤パピちゃん)」(34)はこのほど、事務所を閉鎖したことが分かった。背景には、中国当局がネット上で、影響力のある人やセルフメディアに対する締めつけを強めていることが在る。

Papi醤こと、姜逸磊は中国の演劇芸術専門大学、中央戯劇学院の卒業生。2016年、彼女はネット上で、日常生活を題材にショートムービーを投稿し始め、動画の中で彼女は変音器で自分の声を変えて、日常出遭ったことを毒舌で語り、たちまち注目された。

同年3月、中国国内の投資ファンド、真格基金など4社は、Papi醤に総額1200万元(約2億1271万円)を出資した。7月、Papi醤は事務所「逸磊影視文化傳播新沂工作室」を設立。

中国版ツイッター、微博(ウェイボー)では、Papi醤のフォロワーは現在、約3000万人いる。

中国企業情報サービスアプリ「天眼査APP」によると、今月11日現在、「逸磊影視文化傳播新沂工作室」は「廃止」となっている。原因は、会社側が「解散を決めた」ためだという。しかし、Papi醤のファンらの間では憶測が飛び交った。

一部のファンは、Papi醤が事務所を撤廃したのは、当局の締め付けを回避するためだと推測した。

中国当局はこのほど、芸能界への取締りを強化し、芸能人の脱税や不法行為、モラル問題などを相次いで摘発し、当局の基準を満たさない芸能人を業界から排除した。有名芸能人やアイドルのファン・グループ(飯圏)も取り締まっている。9月には、中国当局は「低俗な網紅インフルエンサー)の排除方針」を打ち出した。

中国法学者の頼建平氏は、新唐人テレビに対して、「Papi醤は国内で非常に高い人気を得ており、強い影響力を持っている。本人からこの収益の高い事業をやめたとは思えない。中国当局にやめさせられたとしか説明がつかない」と語った。

セルフメディアが共産党の洗脳の邪魔に?

中国国家発展改革委員会は8日、参入を制限するセクターを定める2021年版「市場参入ネガティブリスト」を発表した。同リストは、「非公有資本」は、軍事や政治などに関する報道の取材、編集、放送を行ってはいけないと規定した。

カナダ在住の中国人作家、盛雪氏は、中国当局は同政策を通じて「当局に従わないインフルエンサーやメディアを徹底的に締め出す目的があり、すべてのセルフメディアを排除する狙いもある」と述べた。

盛氏は、「情報統制を続ける中国当局は、党の報道機関でないセルフメディアを信用したことがない」と指摘した。

頼建平氏は、中国当局はインフルエンサーやセルフメディアのファンが増えることを「承知しない」と示した。

「当局にとって、インフルエンサーらは官製メディアの資源を奪っている。視聴者がインフルエンサーやセルフメディアの投稿に多くの時間を費やすと、誰も官製メディアの報道を見なくなる。国民に洗脳を行うという当局の目的は達成できなくなるのだ」

河南省鄭州市金水区の税務署は今月上旬、地元に住む1人のインフルエンサーに対して662万元(約1億1760万円)の税金を追加徴収した。中国国内では、当局は芸能人に続いて、今後、インフルエンサーに対しても税金の追加納付を強いる可能性が高いとの見方が広がっている。

盛雪氏は、「中国の有名芸能人やインフルエンサーは、自分らは特別だと思っているかもしれないが、実は国民と同じく中国当局の搾取の対象であり、いつでもニラ刈り(ネットスラング、搾取の意味)をされる」と指摘した。

2019年12月、台湾の人気ユーチューバー「波特王」は、蔡英文総統とイベントに参加した動画を投稿した。動画の中で、波特王は蔡総統に対して「総統」と呼んでいた。波特王の動画を中国国内で配信する企業「徐州自由自在網絡科技有限公司」は、波特王のこの動画を問題視した。同社は波特王に対して、動画を削除しなければ契約を解除すると圧力をかけた。

同社はPapi醤の傘下企業である。

(翻訳編集・張哲)