2019年10月、潜水艦発射型弾道ミサイルの実験の様子を報道する韓国メディア。資料写真 (Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)

岸田首相、演説切り上げて北朝鮮ミサイルに対応 潜水艦発射型の可能性も 

韓国軍合同参謀本部は19日、北朝鮮が午前10時17分ごろ、東部の新浦(シンポ)付近から少なくとも弾道ミサイル1発を東側に発射したと発表した。韓国の中央日報によると、潜水艦を建造する造船所のある新浦からの発射であり、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の可能性があると伝えた。

北朝鮮によるミサイル発射はこの1か月で5回に及ぶ。岸田総理大臣は訪問先の福島市で、北朝鮮から発射されたミサイルは2発だと明らかにした。衆議院選挙のための応援演説予定をすべてキャンセルし、官邸に戻る。

首相は関係省庁に対して情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとることの3点を指示した。

岸信夫防衛相は、北朝鮮のミサイル発射は、国連安保理決議違反であり、極めて遺憾だと述べ、国際社会全体にとっての深刻な課題であり、日本の平和と安全を脅かすものであり強く非難すると語った。

岸防衛相によると、ミサイル発射による被害の報告は現時点で確認されていないという。落下地点については現在分析中だと付け加えた。

防衛省は10時23分、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたとの一報を伝えた。海上保安庁も同じ時刻に同様の報告をしており、航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけた。

今回のミサイル発射は、米国、日本、韓国の当局者が北朝鮮との対話再開に向けて協議準備を進めていた矢先に行われた。北朝鮮国営放送によれば、最近、超音速ミサイルや対空ミサイルなど、数多くの発射実験を重ねている。

ワシントンと平壌の核交渉は、米国主導の厳しい対北朝鮮制裁の解除と、北朝鮮の非核化の手順を交換する際に意見の相違があり、2年以上停滞している。

北朝鮮は、米バイデン政権による前提条件なしの対話再開の申し出を拒否しており、制裁や米韓軍事演習といった「敵対政策」を放棄するよう要求している。

岸田首相は18日、首相官邸で北朝鮮拉致被害者家族と面会した。このなかで、「条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う用意がある」と述べている。

(佐渡道世)