トルコ・アンカラの中国大使館前で、中国で拘留されている親戚の釈放を訴えるウイグル人たち (Photo by Adem ALTAN / AFP) (Photo by ADEM ALTAN/AFP via Getty Images)

「中国企業への投資中止すべき」英議員100人超、議員年金基金に要請

英国の与野党議員135人はこのほど、議会年金基金に対して、米政府から制裁を受けている中国企業への投資中止を求める書簡を出した。人権団体「香港監察」が9月の報告書で、英国を含む主要各国が問題の中国企業に投資していることを明らかにした。

書簡は中国への投資を見直すとともに、深刻な人権侵害に関与する中国企業や国有銀行、石油大手を含む国営企業への投資の中止を求めている。

9月末に発表された「香港監察」の報告書によると、英国議会年金基金の一部は、米投資管理会社ブラックロックに運用を委託している。そのうち、中国の大手通販サイト「アリババ集団」に230万ポンド(約3億6340万円)、ハイテク大手のテンセント(騰訊)に90万ポンド(約1億4220万円)、中国建設銀行と大手国有石油会社「シノペック(中石化集団)」に74万ポンド(約1億1692万円)とそれぞれ出資されている。

書簡はアリババとテンセントについて、中国当局のインターネット検閲に加担し、ウイグル人弾圧に使用されるソフトウェアの監視権限を政府に付与したと指摘した。国営企業の最大の資金源である中国の国有銀行が、過去10年間に英国の戦略的インフラを大量に買収したことを挙げ、投資が不適切だと訴えた。

書簡は、議会年金基金のファンド運営会社に対し、中国での投資状況を迅速に審査し、問題の中国企業や銀行に投資しない約束をするよう要求した。

人権監察の報告書によると、議会年金基金のほか、英国最大の民間年金基金である大学教職員退職年金基金(Universities Superannuation Scheme、USS)」、英国大手年金管理会社リーガル・アンド・ジェネラル・グループ(Legal & General Group、L&G)も中国の「問題ある企業」に投資している。

報告書は、オーストラリア、ノルウェー、ニュージーランド、カナダ、そして日本の年金基金やファンド運用会社も、問題の中国企業に巨額の投資を行っていると明かした。

ニュージーランドの年金基金は、米政府ブラックリストに登録された14社の中国企業に投資している。監視カメラ製造大手のハイクビジョン(杭州海康威視数字技術)も含まれている。

日本の場合、厚生年金及び国民年金の積立金の管理・運用を行っている年金積立金管理運用独立行政法人はアリババとテンセントに総額38億米ドル(約4330億円)を投資している。

報告書の作成者の一人、「香港監察」の上級アドバイザーのサム・グッドマン氏は、世界各国が歩調を合わせてこの問題に取り組まなければ、米政府の対中国制裁はまったく効果が得られない、と懸念を示した。

(翻訳編集・叶子)