2021年4月7日、米バージニア州アーリントンで、Facebookのウェブサイトを背景にFacebookのロゴを表示するスマートフォンの画面(Olivier Douliery/AFP via Getty Images)

米Facebook、保守系メディアを意図的に抑制=内部文書

Facebookフェイスブック)は2016年の米国大統領選挙後、保守系メディアからのトラフィック(通信量)を抑制する2つのツールを導入したことがわかった。同社の意思決定には、政治的な要因が大きく影響していた。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は24日、Facebookの元従業員が流出させた文書をもとに報じた。

それによると、導入されたツール「スペアリング・シェアリング(Sparing Sharing)」と「インフォームド・エンゲージメント(Informed Engagement)」は、「保守系メディアに不相応な損害を与えている」としている。前者はスーパーシェアラー(最もアクティブなユーザー)が投稿をシェアする可能性を下げるためのもので、後者はユーザーが読んでいない投稿をシェアする可能性を減らすためのものである。

Facebookの内部調査によると、この2つのツールを使用しない場合、英文大紀元紙は11%、ワシントン・タイムズ紙は18%、米ニュースサイトのブライトバート・ニュース(Breitbart News)は20%のトラフィック増加が見られたという。

Facebookの研究者は、保守系メディアを犠牲にしたこのような「テスト」は、強い反発を招く可能性があると社内で懸念を表明した。

Facebookは結局、2つ目のツールである「インフォームド・エンゲージメント」を廃止し、1つ目のツールを残した。

この操作によって最も影響を受けるのはブライトバート。同社のニュースタブはFacebookによって、「レベル2」に格下げされ、ニュースの露出度が競合他社より大幅に減った。

にもかかわらず、調査会社ニュースウィップ(NewsWhip)の統計によると、ブライトバートはFacebookでのユーザーエンゲージメント率(ユーザーの愛着度など)が、常に上位にランクされている。

Facebook独自の分析ツールCrowdTangleによると、ブライトバートが8月にFacebook上で集めたユーザーエンゲージメント数は、米紙ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ハフィントン・ポストの合計よりも多かった。

政治的配慮を意思決定の中心に」

Facebook政治に関係なく社内ルールに従って業務を執行すると公言している。実際にはFacebookの内部文書を閲覧したWSJは、Facebookの従業員は内部のコミュニティでの会話の中で、よく政治的な話題に触れていたと指摘した。

昨年6月、アフリカ系アメリカ人のフロイドさんの死が暴動を引き起こした際、Facebookの社員は同社の人種的正義に関するチャットボードで、ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動に批判的な記事を掲載したブライトバートをニュースタブから完全に削除するよう求めた。Facebookの経営陣は最終的に現状維持を選択した。

WSJは、Facebookの経営陣は世論の圧力や政治的リスクを回避するために、政治的配慮をしばしば意思決定の中心に据えていると指摘した。

一方、内部文書の中に左派メディアに関する同様の議論が見当たらないとWSJは付け加えた。

Facebookはこれまで、左派(リベラル派)に偏り、保守派政治的なバイアス(偏見)を持っていると非難されてきた。2016年5月、米テック情報サイト「ギズモード (Gizmodo)」は複数の匿名の元Facebook社員の話をもとに、「話題のニュース」の担当者が保守系ニュースを意図的に排除する一方で、リベラル系ニュースの露出を増やしていると報じた。

(翻訳編集・王君宜)