2021年9月17日、ワシントンのアイゼンハワー・エグゼクティブ・オフィス・ビルディングでスピーチするアントニー・ブリンケン国務長官 (Al Drago/Getty Images)

ブリンケン米国務長官、 人権問題や覇権主義的行動に懸念

ブリンケン米国務長官は31日、20カ国・地域首脳会議(G20)が開かれているローマで中国の王毅国務委員兼外相と会談し、台湾に対する中国の覇権主義的な行動に懸念を表明した。

ブリンケン氏は会談で、中国の新疆ウイグル自治区や香港の人権侵害などは、「国際的なルールに基づく秩序を損ない、米国の利益や価値観に反する」と述べた。いっぽうで、気候変動対策など共通の課題があるとしたうえで、両国が「競争の管理」に向け、意思疎通を維持する重要性も伝えた。

中国外務省によると、王氏は米国が台湾を巡る現状変更の責任を中国に問うのは誤った対応だと批判した。米国が台湾を支持することは「内政干渉」だとし、中米関係に「破壊的で有害な影響をもたらす恐れがある」と述べた。

10月初旬には、約150機もの中国軍機が台湾の防空識別圏に進入を繰り返すなど、中国共産党政権は台湾への軍事的圧力を強めている。台湾の国防部(国防省)は、「中国との緊張関係が過去40年間で最悪の状態にある」と強い危機感を示した。

バイデン米大統領はその後、台湾が中国に攻撃された場合、米国が防衛にあたると発言し、物議を醸した。米国はこれまで、台湾防衛には「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策をとってきた。ホワイトハウス報道官は直後に「政策に変更はない」と訂正した。

米中高官の会談は、10月上旬にサリバン大統領補佐官と中国外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員がスイスのチューリヒで会談して以来だ。両氏の会談は、年内に実施予定のバイデン大統領と習近平国家主席によるオンライン会談の地ならしといえる。

両首脳は、今年1月にバイデン政権が発足して以来、直接の面談は果たせていない。G20の首脳会議では、習近平氏はオンライン方式で参加し、現地入りを見送った。