米ニューヨークのタイムズスクエアで年越しを祝う家族 (Andrew Theodorakis/Getty Images)
<オピニオン>

なぜ左翼進歩派は家族を破壊したいのか?

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マルクス主義者や社会主義者、共産主義者などの左翼リベラルの間では、家族を弱体化させ、破壊することが長年の方針となっている。それは、彼らの目的がすべての権力政府に委ねることにあるからである。

家族のような独立した組織が、市民の忠誠心を維持し、政府から権力を奪う。家族の忠誠は、政府ではなく、その構成員に対するものであり、マルクス主義者はこれを禁じるべきだと考えている。

自称マルクス主義者のブラック・ライブズ・マター(BLM)は、自身のウェブサイトで、警察の解体と並んで、ふたり親家庭を破壊することを目的の1つとして宣言していた。

アフリカ系アメリカ人の間ではふたり親家庭は稀である。子どもへの配慮が不十分なため、学業成績の低下、ギャングへの加入や投獄、暴力的な殺人の多発などにつながっている。それにも関わらず、BLMはひとり親家庭は良いモデルだと考えている。BLMは、自分たちが支配すれば(BLMにとって)すべてがうまくいくと考えている。

旧東ドイツ、旧ソビエト連邦、旧ソ連圏の東欧諸国、共産主義中国などの全体主義社会は、家族の忠誠心を損なうように努め、家族メンバーが互いに監視し合うことを奨励した。反政府的な感情はもちろんのこと、政府への忠誠心が足りない者であっても、再教育や処罰の対象となる。子どもたちは学校で、親を調べ、愛国心に欠けていたら当局に報告するように教えられていた。

イスラエルのキブツ(Kibbutz)は、共産主義をモデルにして設立された。家族は廃止され、人々は共同の食堂で食事をし、子どもは親から離れて集団で育てられていた。しかし、その後数十年の間に、キブツの人々の考えは徐々に変わっていった。母親たちは、子どもたちと一緒にいたいと思うようになった。思春期になると、子どもたちは異性の前で生活することを嫌がるようになった。やがて、ユニセックス作業着は、男女別の服に変わっていった。

マルクス主義の階級闘争を家族関係に取り入れたフェミニズムの論理は、男性、結婚、母性、家族を軽蔑している。フェミニズムにとって最も重要な権利は、生まれてくる子供を殺せることだ。フェミニストの目標は、権力を握ること。家族はその邪魔になるので、排除しなければならない。

20世紀前半、すべての人種や民族において、ふたり親家族が主流の形態だった。しかし、21世紀に入ると、ふたり親家庭は、アジア系アメリカ人と白人系アメリカ人で顕著に見られるだけで、ヒスパニック系、ネイティブアメリカン、アフリカ系アメリカ人ではひとり親家族が大きな割合を占めている。

また、ふたり親家族は構造的にも機能的にも剥奪されていった。中東やアジア太平洋地域などの伝統的な社会では、家族は多世代、複合的、または拡大的であり、多くの親族が拡大家族を構成し、その中にふたり親家族が存在していた。21世紀に入ってからは、ふたり親家庭はもちろんのこと、ひとり親家庭でも、単独で生活するようになった。これは、産業の高度化やポスト工業経済がもたらした空間的・社会的流動性の結果である。

伝統的な家族は、社会の基本的な生産単位であり、通常は農業生産に従事していた。子どもたちは、労働集約的な複数の仕事をこなすのに必要な人手を提供していた。20世紀初頭のアメリカやカナダの家族経営の農場を思い浮かべてみよう。息子たちは必要に応じて、家族の民兵として、家族や財産を守るための強力な武器となった。21世紀の現在、児童労働も軍事的防衛も、もはや家族の機能ではなくなった。

21世紀の北米では、家族の機能として残っているのは、家庭を築き、資産ではなく経済的負債である子どもを育て、社会に送り出すことである。フェミニズムの影響を受けた多くの人々は、結婚せず、他人と一緒に住まず、一人で暮らすことを選んでいる。これは家族世帯の喪失を意味している。独身女性の多くは1人で子どもを産み、ひとり親家庭を形成している。

今や子どもは親ではなく、市民や行政の管理下に置かれるようになり、親から子育ての機能が奪われている。教育官僚、教育委員会、教職員組合が結託して子どもたちの人生を支配しようとしている。彼らは保護者を無視し、何を教えているのか、どのように生徒を管理しているのかを意図的に隠している。

これらの官僚や役人はすべて、過激派教育研究所で過激なイデオロギーの訓練を受けている。このように、官僚、組合、教育委員会がK-12 (幼稚園から高校まで) の生徒たちに自分たちの政治的イデオロギーを押しつけている。

その中には、小さな白人の子どもたちを特権的抑圧者として非難し、小さな黒人の子どもたちを自分の人生をコントロールできない犠牲者とする「批判的人種理論」 が含まれている。また、学校は子どもたちを、生まれつきの性別から想像上の別の性別への「移行」を迫り、トランスジェンダーのホルモン療法や性別適合手術の道へと導いている。これらはすべて、子どもたちの親には隠されている。学校は現在、子どもたちへの組織的な虐待を専門としている。

これらの教育関係者は、過激な左翼思想を支持し、それを推進したいバイデン政権や、連邦政府、州政府と結託している。このような官僚や政府の結託の目的は、すべての子どもたちを親から引き離し、政府の手先である学校関係者に依存させることにある。これは、家族を破壊し、政府がすべての権力を握る専制的な社会主義共産主義への道を進むための重要なステップだ。

執筆者プロフィール

フィリップ・カール・ザルツマン(Philip Carl Salzman)は、カナダの名門校のマギル大学人類学名誉教授、超党派の公共政策シンクタンク「フロンティア・センター・フォー・パブリック・ポリシー」の上級研究員、米シンクタンク「ミドルイースト・フォーラム」の研究員、学術団体「中東和平のための学者たち(Scholars for Peace in Middle East)」の代表。

オリジナル記事:「Why Progressives Are Trying to Destroy the Family」より

(翻訳・王君宜)