新疆ウイグル自治区で綿花の収穫を行う女性。2005年撮影(Guang Niu/Getty Images)

カナダ税関、中国の強制労働関連商品を初めて押収

カナダの税関はこのほど、中国から輸入された衣料品を「強制労働」に関わったとの理由で押収した。カナダ政府は1月、国内企業が人権侵害に加担しないよう商業活動の包括的な取引規制などを発表しており、今回が初めての法執行となった。一部のカナダの上院・下院議員は、国内での強制労働商品の流通を阻止するよう、より強力な立法措置や施行措置を求めている。

中国からカナダのケベック州に向けて出荷された女性用および子供用の衣料品が、強制労働によって生産されたものであるという理由で、11月上旬にカナダ国境サービス庁(CBSA)によって押収された。同庁は、関税法の守秘義務規定を理由に、輸入者の詳細について公表しなかった。

北米自由貿易協定(NAFTA)の規範に基づき、カナダは2020年7月に関税法を改正し、強制労働で作られた商品の輸入を禁止した。同法律が施行されて以来、当局が違法品の押収を発表したのは今回で初めて。

ここ数年、人権擁護団体は、中国政府によるウイグル人をはじめとする少数民族への強制労働などの迫害を批判してきた。

バンクーバーを拠点とする「中国自由民主人権促進会」の創設者である黄寧宇氏は中国に拘束された外交官とジャーナリストのカナダ人2人は戻ってきたが、この出来事から「カナダ政府は中国共産党に対してどのように対応すべきかを学んだ。税関は対処するだろう。これはカナダが厳しい姿勢で臨むための行動だ」とコメントしている。

カナダの上院議員Julie Miville-Dechêne氏は、より透明性の高い説明責任が問われる体制の設立を求めている。新しい国会では、同氏が提案した『現代奴隷法』が審議されている。

この法案は、カナダ企業に対し、サプライチェーンの中に強制労働の実態があるかどうかをカナダ当局に報告することを義務付けるもの。情報はプライバシーや守秘義務を理由に隠蔽されることなく公開されなければならず、消費者がより良い判断を下すためには情報提供が必要だと規定されている。

同氏は強制労働問題を透明化するだけでなく「サプライヤーに説明責任を果たす責任を課し、明確な罰則制度もある。誠実な申告をしなかった場合、25万ドルの罰金が科せられる。この法案は、議会の全政党の支持を得ていると考えられる」と述べた。

カナダの自由党のSameer Zuberi氏、John McKay氏、保守党のMichael Chong氏などの各政党の議員は、強制労働製品がカナダに輸入する可能性を排除するために、カナダ当局はさらなる努力が必要だと強調している。