ASEM首脳会議でEUが中共をけん制 「基本的自由を守るために行動する」

2021/11/26
更新: 2021/11/26

アジアと欧州の約50カ国・機関で構成する「アジア欧州会議(ASEM)」の首脳会議がオンライン形式で25日から26日にかけて開催された。インド太平洋地域の経済や安全保障など幅広い分野で意見交換が行われた。ミシェル欧州理事会議長は「EUの行動原則は普遍的な民主的権利と基本的自由を保護するものだ」と述べ、威圧的な外交や人権迫害を行う中国共産党政権をけん制した。

ミシェル議長は「アジアのパートナーの多くは、政治的未来を自ら決定し、権利の保護を望んでいるという点で、我々と同じ考えを持つと知っている」と述べたうえで、開かれたルールに基づく国際秩序を堅持する考えを示した。

アジアと欧州諸国間の対話と協力のためのプラットフォームであるアジア欧州会議(ASEM)は1996年に設立され、現在では日本を含む約50国が加盟する。首脳会議は隔年で開催され、今年の会議には各国の首脳レベルの上級代表をはじめ、欧州理事会議長や欧州委員会委員長、ASEAN事務局長が参加した。

議長を務めたフン・セン首相は「ASEMは世界の平和、安定、繁栄、発展に貢献する責任がある」と述べ、ASEMの枠組みの意義を強調した。

ビデオメッセージで参加した岸田首相は、民主主義の中核である中間層を守り、企業と政府が大胆な投資を行う「新しい時代の資本主義経済」の推進と実現を目指すと語った。

ビデオ参加した中国の李克強首相は、多国間主義を堅持することは世界の平和と安定を維持するための正しい選択だと述べた。また、ASEMのパートナーは、国連を中心とする国際システムを維持し、国際的な責任を果たすべきであると話した。

成長地域であるASEAN諸国に対し、欧米諸国と中国は影響力を拡大しようと競争を繰り広げている。米国は米ASEANサミットを4年ぶりに再開し、戦略的パートナーシップを拡大するために最大1億200万ドルを提供する計画を発表した。最近では世界主要7カ国(G7)がASEAN諸国と初となる外相会議を来月予定しており、各国との関係構築が活発な様相を呈している。

こうしたなか、EUは9月に発表したインド太平洋戦略で、ルールに基づく多国間主義を推進するため、貿易、インフラ投資、安全保障など様々な分野でASEAN含むインド太平洋地域諸国との協力関係を強化していく方針を示した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
関連特集: 岸田政権