ディズニープラス、香港で開始「シンプソンズ」天安門事件の回は配信されず 

2021/12/01
更新: 2021/12/01
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香港で今月始まったディズニー公式動画配信サービス「Disney+」は、米国の人気アニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」から1989年の天安門事件に触れるエピソードを配信していない。この回は一家が中国旅行中に北京の天安門広場を訪れ、民衆を武力弾圧した事件の風化を図る中国共産党当局を揶揄している。

2005年に初めて放送された同回は、シンプソンズ一家の中国旅行を描いた。一家は北京の天安門広場に行き、その中で「この場所では1989年、何も起こらなかった」と中国共産党のスローガンを映した。

ほかにも一家の母親マージが戦車の前に立つ表現もあり、実際に天安門事件で1人戦車の前に立ちはだかった青年「タンクマン」を暗示した。また、中国共産党によるチベットへの弾圧や毛沢東の失策で「5000万人が殺された」と父親のホーマーが話す場面もある。

シンプソンズの作品検閲により、中国共産党当局が香港で大陸式の検閲手段をさらに強化するのではないかとの懸念が広がっている。

ロンドンを拠点とするSOAS中国研究所のスティーブ・ツァン所長はウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に対して「自己検閲であれ、直接的な検閲であれ、ディズニーやその他の米国企業が中国市場の重要性を計算した結果だ」と語った。

「中国(共産党)政府が目的を達成するために、市場規模に基づく経済力を利用することによって自身の目的を達成しようとしている」と述べた。

米ウォルト・ディズニーの発表資料によると、Disney+は1年半前に動画配信サービスを開始。8月時点で全世界での加入者数は1億1600万人以上に達した。Disney+が中国当局から天安門の回の削除との指示を受けたのか、あるいは香港に上陸した際に利用できなかったのかは不明。大紀元はディズニーと香港政府に取材したところ、記事発表までに返事は得られなかった。

10月27日、香港では「国家の安全を守る」ためとし、新たな映画検閲法が可決された。中国当局の利益や中国の国家安全保障に悪影響を与えると見なした映画を対象としている。違反者には、禁錮3年や罰金100万香港ドル(約12万8400万ドル)の刑が科せられる可能性があると定められている。

蘇文悦
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