オーストラリア下院、人権侵害制裁法案可決 対中共制裁で欧米と足並みそろえる 世界で34カ国目

2021/12/03
更新: 2021/12/03
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オーストラリア議会下院は2日、人権侵害に関与した外国政府当局者に制裁を課す内容を含む「2011年自主制裁法」改正案を可決した。同様の法案は「マグニツキー法」と呼ばれ欧米諸国が導入しており、モリソン政権も足並みをそろえた。民主主義国により人権侵害に対して制裁措置を発動する枠組みが強化されている。

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同法案は1日に上院を全会一致で通過しており、今後は総督の署名を経て成立する。「マグニツキー法」により、オーストラリア政府は人権侵害を行った個人や団体の資産を凍結し、入国を拒否することが可能となる。同法の制裁対象にはサイバー攻撃を行う者や海外の汚職高官も含まれる。

ペイン外相は法案について、オーストラリアが「制裁対象とその資産にとっての避難所になることはない」と強調した。同様の法案がますます多くの国で施行されていることを「マグニツキー運動」と例え、志を共にする国々と行動を共にする意欲を示した。

今年3月、米国やEUが連帯して新疆ウイグル自治区の人権状況に「重大な懸念」を表明し制裁措置を発動させたが、オーストラリアは法整備が不十分なため具体的な行動を取ることができなかった。

法案審議にあたり、議会では中国共産党による複数の人権侵害の事案が取り上げられた。

労働党のオコナー議員は、昨年、中国武漢における新型コロナウイルス(中共ウイルス)感染拡大の状況をSNSで発信したため収監された女性市民ジャーナリスト・張展氏の例を挙げた。議員は、張氏が刑務所でハンストを続け生命の危険にさらされているにもかかわらず、当局は医療措置を施していないと批判した。

同じく労働党のワッツ議員は、香港の抗議活動に対する中国共産党政権の高圧的な取り締まりに言及したほか、少数民族や宗教マイノリティーへの弾圧に関する報告書を引用して議論を行った。

中国共産党を批判してきた自由党のジェームズ・パターソン議員は「オーストラリアはこの危険な世界において、自国の民主主義と主権、そして自由を守るための手段を手に入れた」と述べた。

マグニツキー法を推進してきた実業家のビル・ブラウダー氏は同日、「オーストラリアは、マグニツキー法が施行されている世界で34番目の国となった。世界的なマグニツキー運動への参加を歓迎する」とツイッター上でコメントした。

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