習主席が新年祝辞 海外メディア「国内外の難題が増える一年に」

2022/01/04
更新: 2022/01/04
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中国の習近平国家主席が2021年の大晦日に恒例の新年祝辞を発表した。習氏は祝辞で民族の復興を強調し、それを実現するには「戦略的な決意と忍耐を保つ」ことが必要だと述べた。

同氏は今年秋に開催される第20回党大会で異例の3期目続投が確実視されている。だが、減速する経済や米中対立の長期化、出口の見えない「ゼロコロナ」対策などの不安材料を抱えている。

祝辞で習氏はこうした困難な状況を踏まえ、「自分も農村から出てきた者で、貧困を切実に体験した」と国民に寄り添う言葉を発した。ブルームバーグは、習氏は自らが「国民の指導者」であることをアピールする意図があると分析した。

米国については言及しなかったが、ブルームバーグは、11月、習国家主席とバイデン米大統領のバーチャル形式の会談が開かれるなど、両国の緊張は緩和したようにみえると評した。

習氏は香港や台湾に対する中国政府の政策を繰り返し、「完全な統一」は両岸同胞の「共通の願いだ」と主張した。

ブルームバーグは、台湾問題をめぐって中国の強硬な姿勢は欧米諸国との衝突を招いたと指摘した。台湾国防部によると、中国の軍用機は2021年に238日、延べ958回、台湾の領空に侵入した。

習氏は、1997年と1999年にそれぞれ中国に返還された香港とマカオの「安定を維持する」ことの重要性を強調した。

この数年、中国共産党政権が強引的な手段で香港の民主化運動を弾圧し、西側諸国から非難されている。

香港の宗主国だった英国は、昨年12月中旬に議会に提出した香港に関する最新報告書(2021年1~6月期)で、中国と香港政府がいわゆる国家安全法を盾に、香港のあらゆる反対派の意見や報道機関、市民運動を抑圧し、香港の選挙制度を変え、反体制派を議会からほぼ完全排除したと批判した。

香港警察当局が12月29日、蘋果日報(アップルデイリー)に続き、香港のネットメディア「立場新聞」の現・元幹部6人を逮捕したことについて、国際社会は香港の言論の自由に対する新たな弾圧だと糾弾している。

英国の公共テレビ局「チャンネル4」の元ジャーナリストで、作家のイアン・ウィリアムズ氏は、12月31日のネットメディアへの寄稿で、習近平国家主席は2022年中に終身支配を確立する計画だが、国内外において難題が増えていると指摘した。

ウィリアムズ氏によれば、習氏にとって一番の課題は新型コロナウイルス感染症(中共ウイルス)で、世界各国はウイルスとの共存を模索するなか、中国の「ゼロ感染」という現実離れの対応策は行き詰まっているという。

同氏は、習近平政権にとって、新型コロナウイルス感染拡大防止の成功は、中国が西側諸国より優位であることを示す証拠として期待されていると分析した。新型コロナへの対応は、習氏に対する個人崇拝に拍車をかけ、今年の重要会議である党大会に向けて、この個人崇拝はクライマックスを迎えるという。

一方、習近平国家主席はこれまでの新年祝辞と異なって、中国の国内総生産について言及しなかった。

(翻訳編集・叶子静)