英国の民衆法廷「ウイグル法廷」の公聴会で、再教育キャンプで鎖につながれていたと証言するウイグル人のオミール・ベカリさん(左)(写真:Tolga Akmen / AFP)(Photo by TOLGA AKMEN/AFP via Getty Images)

中国代表団、昨年訪欧か 関係改善図るも「時は遅し」

昨年11月末、中国政府は欧州に非公式の代表団を派遣し、中欧関係の緩和、新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐる対中制裁の撤廃についてロビー活動を行う予定だった。だが、欧州連合(EU)はほぼ同時期に制裁の延長を発表し、中国側の計画は頓挫したとみられる。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は1月3日報じた。

同紙は関係筋2人の情報として報じたところによると、中国の呉紅波・欧州事務特別代表が率いる中国代表団が昨年11月末に欧州を訪れた。中国側はドイツのシンクタンク、メルカトル中国研究所(MERICS)に対する報復制裁を撤廃する代わりに、EUも対中国制裁を取り下げるよう交渉する予定だった。中国外交部の元高官が代表団に加わった。

米国やEUなどの諸国が、新疆ウイグル自治区での人権迫害を理由に中国政府高官や関連当局に制裁を科したことを受け、中国は2021年3月に報復措置として、MERICSを含む米国やEUなどの複数の国会議員や団体に制裁を加えた。

匿名希望の関係者によると、中国政府は欧州との関係緩和をはかるため、英国、米国、カナダ、EUに対する報復制裁を撤廃する意向を示していた。

「しかし、時は遅すぎた」と同関係筋は話した。 欧州議会は同時期に、新疆での人権迫害に関与する中国当局者4人と当局政府機関に対する制裁を22年3月から1年間延長することをすでに決議し、数日後、そのほかの制裁措置も22年12月8日まで継続すると発表した。

同関係筋の話では、こうした状況を受け、中国政府は自らの制裁措置を解除しないことを決定した。

在ドイツ中国大使館およびMERICSは、交渉の有無を含めてコメントを控えている。

一方、ドイツのグローバル公共政策研究所(GPPi)のトルステン・ベナー所長は、「中国政府が強硬的な姿勢を抜本的に見直さなければ、中欧関係は来年も改善しないだろう」と予測した。

(翻訳編集・叶子静)