中共軍機39機、台湾ADIZに侵入 昨年10月以降最多

2022/01/24
更新: 2022/01/24

台湾国防部は23日、中国共産党の軍用機39機が防空識別圏(ADIZ)に侵入したため台湾軍機を緊急発進させたと発表した。中共軍機によるADIZ侵入は昨年10月以降で最多となった。

台湾国防部の発表によると、中国軍は戦闘機「殲10」延べ10機、戦闘機「殲16」延べ24機、爆撃機「轟6」1機、通信対策機「運9」2機、電子戦機「運8」2機の合計39機の軍用機を東沙諸島の東北地域で飛行させたという。

中国共産党は、外国高官の台湾訪問や党の記念日に軍用機を派遣することが多い。昨年、党が政権樹立を祝う10月1日からの4日間で、延べ149機の軍機を派遣して台湾南部と南西部の防空識別圏(ADIZ)に進入した。

中国が多数の軍機を送った理由は明らかではないが、米国と日本は台湾東方の海域を含むフィリピン海で軍事演習を実施している。演習には2つの空母打撃群が参加し「自由で開かれたインド洋を維持し守る」目的があると、米太平洋艦隊は23日に発表した。

昨年11月に発表された2021年版の台湾国防報告書によると、中共は近年、軍機を派遣して南西空域を頻繁に侵入し、東沙諸島周辺で軍事訓練を行っている。このほか、金門海域で小型スピードボート十数隻を送り台湾の巡洋艦を囲ったり、台湾近海で砂金採取船に違法操業させたりするなど、いわゆる「グレーゾーン作戦」で台湾に外交および経済的な圧力を加えている。

台湾の邱國正国防部長は「積極的に軍備を増強して戦争に備え、戦闘能力の急速な強化を優先し、戦争を挑発させないように優れた防衛力と戦力の整備を進めている」と報告書発表にあたりコメントしている。

蘇文悦
蘇文悦
関連特集: 台湾海峡の風雲