中印衝突時の中国軍幹部、聖火ランナーに インドが反発

2022/02/04
更新: 2022/02/04

中印国境地帯の軍事衝突で負傷した中国軍の幹部が聖火ランナーに選ばれたことに、国際社会から非難の声が噴出した。インド外務省は大会の開閉会式に在中外交官が出席しない方針を示した。

中国共産党機関紙・人民日報系列の「環球時報」によると、北京冬季五輪の聖火ランナーに選ばれたのは、昨年6月に中印国境地帯のガルワン渓谷で起きた両軍の衝突で重傷を負った新疆軍区の団長だ。

インド外務省の報道官は3日の定例記者会見で記者の質問に対し、中国政府のこの対応に遺憾の意を表明し、今回の北京五輪の開閉会式に在中インド大使の出席を見送ることを明らかにした。

米上院外交委員会のジム・リッシュ上級委員は、「中国政府が2022年のオリンピックに選んだ聖火ランナーは、20年にインドを攻撃し、自国のウイグル族に対して大量虐殺を行った軍の幹部であることは、とても恥ずべきことだ」とツイートした。

仏誌「ル・ポワン」は、中国政府はオリンピックを政治化すべきではない(人権を議論すべきではない)と繰り返し主張しながら、聖火を民族主義のプロパガンダに率先して利用していると批判した。

ドイツのジャーナリスト、シュテフェン・ヴルツェル氏は「このことは、中国共産党政権がオリンピックを政治利用している何よりの証拠だ」とコメントした。

20年6月にガルワン渓谷で起きた両軍の競り合いで、インドは20人の戦死、中国は4人の戦死をそれぞれ発表した。

この軍事衝突で負傷し、今回聖火ランナーに選ばれた祁發寶・新疆軍区団長は軍指導部から「英雄」の称号を与えられた。

(翻訳編集・叶子静)

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