パキスタンで自爆テロ、孔子学院の院長ら4人死亡

2022/04/27
更新: 2022/04/27

パキスタン南部カラチのカラチ大学で26日、ワゴン車が爆発する事件が発生し、中国人を含む4人が死亡した。

地元警察によると、死亡した中国人は同大学の孔子学院に勤務する中国人教師と学院長ら3人。

現場付近の監視カメラの映像によると、全身を覆う衣装「ブルカ」を着用した女性のそばをワゴン車が通り過ぎた瞬間、爆発した。地元警察は、この女性が自爆テロを起こした可能性があるとみて捜査している。

この事件について、パキスタン南西部バルチスタン州の分離独立を掲げる過激派「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出している。

パキスタンでは近年、中国人を狙った襲撃が増えている。昨年7月に起きた自爆テロで、中国人技術者を乗せたバスが爆発し、9人が死亡した。

「一帯一路」への不満 

パキスタンは「一帯一路」への参加などを通じて中国との関係を強化しており、多くの中国企業が進出している。

しかし「一帯一路」を巡っては、相手国を借金漬けにして、返済猶予と引き換えに中国が天然資源や港などの権利を奪う「債務のワナ」の問題が指摘されてきた。

BLAが分離独立を目指すバルチスタン州の港湾都市グワダルでは昨年末、住民数千人による「一帯一路」に対する抗議デモを行なった。住民らは「騙された。全く恩恵を受けていない」と抗議した。

孔子学院は、中国政府が中国語や中国文化の普及を目的に世界各国に設置している。同学院をめぐっては近年、「中国共産党による世界規模の浸透工作の一環」と批判されている。

(翻訳編集・李凌)