米司法省、カジノ王を提訴 「中国政府代理人」登録拒否で

2022/05/19
更新: 2022/05/19

米司法省は17日、「カジノ王」として知られるスティーブ・ウィン(Stephen A. Wynn)氏に対し、「中国政府の代理人」としての登録を求める訴訟を起こした。

同省はこれまでにも3度にわたり、ウィン氏に対して、外国代理人登録法(FARA)に基づき、「中国政府」及び「中国公安部(MPS)高官の代理人」として登録するよう勧告していた。いずれも拒否されたという。

FARAに基づいて提訴するのは30年来、初だという。

同省によると、米カジノ運営大手ウィン・リゾーツの元最高経営責任(CEO)だったウィン氏は自身のマカオでのビジネスを守るために、中国政府の指示で動いていたという。

ウィン氏は2017年に中国公安部の孫力軍・元次官(当時)の指示を受けて、米国に亡命した中国人富豪・郭文貴氏のビザの取り消しや送還を求めてロビー活動を行ったという。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが昨年5月、情報筋の話として報じた。

ウィン氏は夕食会や電話などを通じて、トランプ氏を含む米政府要人と孫氏をはじめとする中国政府高官との会談実現に向けて活動していたという。

ハワイの裁判所が20年に公開した資料によると、孫氏は17年にも共和党全国委員会(RNC)の副主席だったエリオット・ブロイディ(Elliott Broidy)氏を通して米側に中国政府の要求を伝えたという。

孫氏は昨年、巨額の収賄などの容疑で起訴され、党から追放された。同氏は江沢民派閥のメンバーで、法輪功学習者への弾圧や人権派弁護士の一斉拘束などを主導した。

(翻訳編集・李凌)

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