トランプ氏、バイデン政権の対中制裁関税引き下げは「ひどい間違い」

2022/07/07
更新: 2022/07/07
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米国のトランプ前大統領は5日、高インフレの抑制に向け、バイデン政権が対中制裁関税の引き下げを検討していることをめぐり、中国に優位性を与える「ひどい間違い」だと述べた。記録的なインフレ状況の改善を急ぐバイデン政権だが、米製造業と工場労働者の弱体化を招くと専門家は指摘する。

トランプ氏は自身が設立したトゥルース・ソーシャルで「(対中関税の引き下げは)中国にとって最大の贈り物になる。米国が弱く、無能だという明確なシグナルになる」と述べた。

対中関税は、トランプ前政権下の2018年に発動した。中国の知的財産権侵害などを理由に、4段階に分けて、中国からの輸入品の約7割に当たる約3700億ドルに最大25%の関税を課した。

2020年には、中国側が米国産の農産品や工業品などの輸入を2年間で計2000億ドル以上増やす合意し、米国と第1段階の貿易協定を締結したが、履行されていない。米シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所(PIIE)によれば、2020年1月~2021年11月までの中国の対米総輸入額は2219億ドルと目標額3564億ドルの62%に過ぎないという。

インフレ

米国の5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月より8.6%上昇し、約40年ぶりの水準を更新した。消費者や企業に多くの損害を与えているとして、イエレン財務長官やレモンド商務長官も中制裁関税の引き下げに理解を示している。

ティム・ケイン上院議員は、3日付けのデイリー・プレスの論説で「これらの増税を撤廃すれば、消費者のコストを削減し、輸入部品に依存するメーカーがグローバル市場でより競争力を発揮できるようになる」と発言している。

いっぽう、ピーターソン研究所の研究者らは異論を唱える。先月、同研究所が発表した報告書によれば、対中制裁関税の引き下げを実施した場合でも「CPIのインフレ率の下げ幅は0.26%に過ぎない」という。

米国製造業同盟(AAM)も、ピーターソン研究所のデータを引用し、関税引き下げに反対の立場を示した。「中国共産党に大勝利をもたらし、米国の製造業と工場労働者の弱体化を招く」と警告した。

関税引き下げについては、共和党上院議員らからも批判が強まる。

トム・コットン上院議員は5日、米フォックスニュースのインタビューで、「対中制裁関税を3年〜4年前から導入しているが、開始当初はインフレにはならなかった」と指摘。「問題なのは、現政権のエネルギー政策だ。ガソリンと電気の価格が、他のすべてのコストを押し上げている」と述べた。