グリーンピース創設者「北極グマは増えている」政治化した環境運動を批判 2/2

2022/09/17
更新: 2022/09/17
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この記事は、グリーンピース創設者「地球温暖化は300年前から」政治化した環境運動を批判 1/2の続きです。

生態学博士パトリック・ムーア氏はおよそ半世紀前に国際環境保護団体「グリーンピース」を共同創設した。カーボンニュートラル塩素ホッキョクグマ、プラスチック等について積極的に問題提起する昨今の環境運動だが、かならずしも科学に基づかない主張があると疑問符をつける。

退団のきっかけは「塩素を敵視」

グリーンピース・インターナショナルの6人の理事のひとりだったムーア氏は1986年、同団体を去ることを決めた。ムーア氏は、自然科学と林学、生態学という科学教育を受け、それぞれ理学士号と博士号を取得した唯一の幹部だった。

退団のきっかけは、グリーンピースが 「全世界で塩素を禁止する」キャンペーンを始めるべきだと他の理事たちが決定したことだという。団体は塩素を『悪魔の元素』と名付けた。「私はグリーンピースの仲間の理事たちに、この方針を放棄するよう説得できなかった。これが私にとってのターニングポイントとなった」とムーア氏は語った。

ムーア氏はこの「塩素敵視」運動に否定的だった。塩素の活用は公衆衛生史上最も大きな進歩の一つであるとみていた。「確かに塩素ガスは毒性が強く、第一次世界大戦では兵器として使用された。しかし、塩素は周期律表の94にある天然に存在する元素の一つで、生物学や人の健康に対して、多くの役割を担っている」

「飲料水やプール、スパに塩素を添加すれば、コレラなど水を媒介とする伝染病の蔓延を防ぐことができる。また、医薬品の約85%は塩素関連の化学物質で作られており、私たちの医薬品全体の約25%は塩素を含んでいる。塩素、臭素、ヨウ素を含むすべてのハロゲンは、強力な抗生物質であり、これがなければ医学は成り立たない」とも述べた。

ホッキョクグマの個体数は増えている

グリーンピースはその巨額の寄付金をどのように活用しているのだろうか。ムーア氏は「寄付金は2000人以上という非常に大きなスタッフのため、大規模な広告のため、資金調達プログラムなどの費用に充てている」と述べた。

そして、同団体の資金調達のための広告は、事実上すべて、彼が著書で徹底的に反証してきた誤った物語に基づいており、その代表的な事例がホッキョクグマであるという。

「ホッキョクグマ国際条約」は、1973年にすべての極地国が署名し、ホッキョクグマの無制限な狩猟を禁止した。

「北極の氷が溶けてホッキョクグマが絶滅すると言っているメディアやグリーンピース、政治家が決して言及しない事実がある。実際、ホッキョクグマの生息数は1973年の6000〜8000頭から、現在は3〜5万頭まで増えており、これは異論のないところだ」とムーア氏は語った。

「彼らは、まるで未来を予知する魔法の水晶玉を持っているかのように、『2100年にはホッキョクグマが絶滅する』と言っている。事実として、北極のこの冬は例年より氷が膨張し、南極はこの冬、過去50年間で最も寒かった。

ホッキョクグマの個体数増加は環境問題研究所「The Global Warming Policy Foundation(GWPF)」掲載の複数の論文でも示されている。

ゴミ捨てと汚染 プラスチック問題の混同

ムーア氏は今日のプラスチック忌避にも疑問を投げかける。食品衛生のためにビニールやプラスチックが使われ、パッケージや包装に利用されている。日本を含む多くの先進国は環境政策として、ビニール袋の使用を制限する政策を採用している。EUは2030年までに使い捨てプラ容器ゼロを目指すという。

ムーア氏によると、私たちの消化器官は「食べ物」とプラスチックや砂の微粒子の違いを見分けることができる。「私たちの体は、どんなに微細な砂であっても、血流に摂取することはない」

「汚染とは有毒であったり、生命に害を及ぼしたりするものだ。プラスチックが海に入っても、魔法のように有毒になるわけではない」とムーア氏は語る。つまり、有害物質による海洋汚染と、不適切な海洋投棄の問題が分別されていないという。

国連環境計画(UNEP)と国連農業機関(FAO)による報告によれば、全世界で流出する漁具の量を「粗く見積もって全ての海洋ごみの10%以下」としている。日本の環境省が実施した日本全国の海外の漂着ごみの調査では、漁具が重量比で6割近くに及んだ。

ムーア氏は漁業業界と協力して海洋投棄を止めるよう環境保護団体は活動すべきだと訴える。「傷んだ網を海に捨てるのをやめ、波止場に戻してリサイクルするか廃棄物発電所で利用するか、安全に廃棄するようにすべきだ」と語った。

このインタビューは、21年11月にムーア氏と韓国ソウルの愛和女子大学環境科学工学科のパク・ソクスン教授が交わしたメールのやりとりをまとめたもの。22年7月7日、ムーア氏の許可を得て、朴氏が大紀元に提供した。両氏は、気候の緊急事態はないとする「世界気候宣言(WCD)」に署名した1100人の科学者や専門家の一人である。

(翻訳・大室誠)