懐メロではすまされない「唱紅」の毒【現代中国キーワード】

2022/10/28
更新: 2022/10/28
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唱紅
「唱紅(チャンホン)」とは、中国共産党を賛美する歌(紅歌)をうたうことである。

ただしその歌は、中共が国民党と戦っていたころの歌、つまり「本来の革命歌」ではなく、主として文化大革命期に作られたものである。歌詞の内容は中共賛美ではあるが、それ以上に毛沢東を崇拝させるのが目的であるため、毛以外の人物(例えば周恩来や朱徳など)は一切でてこない。

これを狂気的なレベルで合唱しながら「忠字舞(ちゅうじぶ)」という奇怪な踊りをおどることで集団トランス状態となる。歌というより、悪霊による憑依であろう。

ただし文革当時は、その狂態に同調しなければ自身が批判されて殺されることにもなった。密告も、すさまじかった。自分を守るため、すすんで狂うしかなかったところに文革時代の中国人の悲哀がある。

もちろんそれは半世紀前のことである。ところが今、過去の亡霊が戻ってくるように、この「唱紅」が中国で復活していることは看過できない現象と言わねばならない。

当時を知る中国人にしてみれば、自身がその中を生きてきた歴史でもあるので、それを否定することは忍びないであろう。ところが小中学校の子供たちにまで、紅歌を(しかも忠字舞つきで)教えるのはいかがなものか。

 軍歌や懐メロをうたうのとは訳が違う。紅歌は人間を害すること甚だしい。たとえ文革は終わっても、その時代の歌詞や曲のなかには、強烈な毒素をふくむ共産邪霊が残留しているからである。