台湾企業、中国国外への移転「今までにない速さ」 有事やゼロコロナを懸念

2022/11/08
更新: 2022/11/07

中国に進出した台湾企業が「今までにない速さ」でビジネスの一部を国外移転していることが、米シンクタンクの調査で明らかになった。中国共産党の厳しいゼロコロナ政策や台湾有事への懸念により、台湾企業はリスクを分散させて生き残りを図っている。

戦略国際問題研究所(CSIS)は台湾企業525社を対象に、ペロシ氏訪台直前の7月25日から8月1日にかけて調査を行った。

調査によると、中国でビジネスを展開している台湾企業の25.7%がすでに生産や調達の一部を他国に移しており、さらに33.2%の企業が移転を検討していると答えた。移転の予定がないと回答した企業は31.1%だった。

移転の理由として、中国経済への過度な依存に対する懸念や軍事衝突のリスクが挙げられた。「今後5年間に米中関係で何らかの軍事衝突が起こる」と考える企業は38.7%で、衝突は起きないと考える企業(50.5%)より数では劣るものの、台湾企業が持つ「相当な懸念を反映している」と指摘した。

移転先として上がったのが東南アジア(63.1%)と台湾(51.3%)で、日本や韓国に移転する企業は19.5%だった(複数選択可能)。東南アジアへの移転が顕著である背景には、台湾の「新南向政策」の推進に加え、企業の特性も大きく影響している。台湾中央研究院の林宗弘氏はドイチェ・ヴェレ(DW)の取材に対し、中国から東南アジアへと移転した企業の多くは労働集約型であり、低賃金への依存度が高いと指摘した。

割合は低いものの、台湾企業が工場等を台湾から移転する動きも見られている。13.0%の企業がすでに一部の事業を台湾から移転していると回答、20.8%の企業が移転を検討していると答えた。台湾からの移転先として最も多いのが東南アジア(67.8%)で、日本・韓国は29.4%だった。

CSISは「調査結果は台湾が中国と完全にデカップリングをすることを証明するには至らない」としつつ、米国は台湾企業が懸念を示した各分野について、中国当局に政策や行動を改めるよう圧力をかけるべきだと記した。

さらに「米国は台湾企業が環太平洋パートナーシップ包括的進歩協定(CPTPP)や地域的な包括的経済連携(RCEP)を含む複数の地域協定への参加に強い関心を示していることに留意すべきだ」と述べた。

米国をはじめ国際関係担当。
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