国境開いた途端…「新たな変異株の可能性」=中国CDC首席専門家

2023/01/14
更新: 2023/01/15

中国は今月8日から約3年にわたり閉鎖されていた国境を開放した。開放前までは「新たな変異株は存在しない」と主張していたにもかかわらず、開放した途端、中国疾病予防管理センターの専門家は「新たな変異株が出現する可能性」を指摘した。

中国CDCの首席専門家である吳尊友氏は8日、中国国営放送CCTV(中央電視台)の番組「央視新聞」に出演し、「中国では感染者があまりにも多いため、新たな変異株が出現する可能性はある」と述べた。

中国国家移民管理局の高官は13日の会見で、8日から12日までに1日平均約24万人が海外旅行に出かけたと発表した。この数字は2019年水準の26%程度だという。

いっぽう国内では感染拡大を続け、各地で遺体焼却炉の増設を急ピッチで進めている。河南省が公式発表した感染率は89%、8800万人以上に上った。この後、1月21~27日は旧正月に伴う大型連休を迎え、中国国内だけでも推計で延べ十数億人が移動すると見込まれており、さらなる感染拡大は必至。

中国への海外出張の回復も見込まれるなか、各国は「新たな変異株」の出流入による混乱と感染者対応に危惧している。

今月1日から7日までの間に、台湾入りした中国人旅客8000人余りのうち1500人以上が検査でコロナ陽性であることが判明している。韓国ではコロナで陽性判定が出た中国人旅行者が隔離施設から脱走するハプニングまで起きている。

WHO=世界保健機関は今月4日に、中国側が提出したデータをもとに、「新たな変異株は確認されなかった」と判断した。一方で、危機対応を統括するWHOのライアン氏は、「死者数については定義が狭いなどの問題があり、感染の影響が過小評価されている」とし、死者数などについて実態を正確に反映していないと指摘した。

高精度画像に強みを持つ米衛星運営マクサー・テクノロジーズは昨年12月下旬から1月初旬にかけて中国各地の火葬場や葬儀場を撮影した。昆明、南京、成都、唐山、湖州などの葬儀場前には順番待ちの車の行列ができていたことなどを確認した。

しかし、中国での深刻な感染状況はオミクロンに対する国際社会の認知とはあまりにも大きくかけ離れている。中国にこれほど悲惨な状況をもたらしたウイルスは果たして、本当に「オミクロン」なのか、それとも、より強力な新たな変異株でも出現したのか。

中国当局の疫学データは極めて不透明で、今のところ詳細は不明だ。CDCの首席専門家が「新たな変異株出現の可能性」を口にしたことや、中共当局がまたも安定維持のカードを切り出したことなどを踏まえると、真実の状況は私たちが想像する以上に深刻である場合もある。新たな変異株の出現を見越した準備が必要かもしれない。

(翻訳編集・李凌)

唐浩
台湾の大手財経誌の研究員兼上級記者を経て、米国でテレビニュース番組プロデューサー、新聞社編集長などを歴任。現在は自身の動画番組「世界十字路口」「唐浩視界」で中国を含む国際時事を解説する。米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、台湾の政経最前線などにも評論家として出演。古詩や唐詩を主に扱う詩人でもあり、詩集「唐浩詩集」を出版した。旅行が好きで、日本の京都や奈良も訪れる。 新興プラットフォーム「乾淨世界(Ganjing World)」個人ページに多数動画掲載。