「米空母から写真撮れる」…米陸軍予備役だった中国人 スパイ活動で実刑判決

2023/01/26
更新: 2023/01/26

米連邦裁判所は25日、中国の情報機関のためにスパイ活動を行ったとして、シカゴ在住で中国籍の紀超群(音訳、Ji Chaoqun)被告に懲役8年の実刑判決を言い渡した。

裁判資料によると、紀は江蘇省国家安全部の指示で、米国の科学者やエンジニア、防衛関連企業の従業員の個人情報を同部に渡していた。いずれも、同部での採用を見込んでいた中国や台湾の出身者だという。

紀に指示を出していたのは、江蘇省国家安全部の高官諜報員・徐延軍。徐には昨年、経済スパイ法に関わる罪などで懲役20年の実刑判決が下っている。徐はGEアビエーションや軍供給会社を含む航空会社から企業秘密を盗み取ろうとしていた。

資料によると、江蘇省国家安全部には米企業の航空宇宙・衛星技術の入手を図る計画があるという。

紀被告は2013年に渡米してイリノイ工科大学に留学。冬季休暇に合わせて中国に帰国した際、諜報員に「食事に誘われ」、秘密裏にスパイ活動の契約を交わした。卒業後の2016年に米陸軍予備役に入隊。「MAVNIプログラム」と呼ばれる、米国の国益に必要なスキルを持った外国籍人材の枠で採用された。

紀は複数回に渡り中国の諜報員と接触し、「軍人の身分を使って空母ルーズベルトから写真を撮れる」などと述べていたという。また、中央情報局(CIA)、連邦捜査局(FBI)、航空宇宙局(NASA)などで情報管理システムの仕事に就けば、データベースを入手できるとも語っていた。

MAVNIプログラムの採用には、過去7年以内に「外国政府との接触がない」ことが条件だった。紀は後の陸軍将校との面談で、中国の諜報員との関係を明らかにしなかったため、虚偽罪にも問われている。

米国をはじめ国際関係担当。
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