中共とビジネス、米議員「血塗られた手と握手」弾圧に警鐘

2023/08/29
更新: 2023/08/29

中国共産党は、ALPS処理水海洋放出をめぐる日本への嫌がらせを日増しに強めている。しかし、こうした“反日運動”は国内問題から市民の目を逸らそうとする中共の常套手段だ。不動産を中心とした経済悪化や当局の不作為による北京の深刻な水害など枚挙にいとまがない。

なにより、中共最大の隠蔽は法輪功迫害だ。未曾有の人権侵害を中止し続ける米国議員や元高官らは、少数派はまさに「生き地獄」のなかにあると指摘。弾圧を続ける中共との取引は「血塗られた手と握手」しているようなものだと警告した。

「中共の法輪功への悪意は、他に類を見ない」ーー。元米国国際宗教自由特命全権大使サム・ブラウンバック氏はエポックタイムズ紙の姉妹メディアNTDに同氏が語った。

中共による迫害が始まった1999年以来、何千万人もの学習者が、「肉体を破壊し、経済を破綻させ、名誉を毀損させる」ことを目的とした残忍な弾圧の対象となってきた。これには強制解雇や家族の離散、拘留、嫌がらせ、監視、強制労働、拷問、強制臓器摘出などが含まれる。

ブラウンバック氏は続ける。「無神論の中共政権は、法輪功の人気を絶対的な中共の支配に対する脅威とみなし、かつてないほどの獰猛さと決意をもって学習者を追及した」

中国共産党政権による法輪功への迫害が24年目を数える。多数の学習者が命を落とした。生き残っている学習者たちは、中共政権に狙われ続けた数十年間を「生き地獄」と表現している。

強制臓器摘出

米国の議員たちは、拘束された学習者を臓器目当てに殺害する中共の産業規模について注視している。

2019年、英ロンドンを拠点とする独立した専門家による「中国・民衆法廷」は、中共政権が長年にわたり、良心の囚人から相当規模で臓器を摘出しており、この行為は現在も続いていると結論づけた。そして主な臓器の供給源は、拘束された法輪功学習者であるとした。

判決で引用された数多くの証拠のひとつとして、同法廷は中国における重要な臓器の待ち時間が数日間と極めて短いことを挙げている。これは成熟した臓器提供システムによっても、何年も待つのが普通の他の国々では考えられないことだ。

アシュリー・ヒンソン下院議員(アイオワ州選出)は、NTDの番組『スペシャル・レポート 世紀の迫害』でこう語った。「彼らは信条を実践しているがゆえに消されているのです」

「人々はただ消えていくだけ。もし彼らが適切な年齢で、適切な状態にあれば、中国の他の裕福な人々に臓器を提供するために消えていく」

「これが中共の行動です。これが彼らの価値観なのです。だからこそ、私たちはこのことを自国で伝える必要があるのです」

スコット・ペリー議員(共和党)は、臓器強制摘出は 「言語道断」と非難する 。「平然と臓器ビジネスが行われるなか、私たちは(中共と)握手して、ビジネスをしている」

「もしその手が、誰かの臓器を摘出した血まみれの手だったら、もし臓器を強制摘出された人の血に塗ぬられた手だったら、もし信念のために命を落とした人の血に塗れた手だったら、そうした手があなたに差し伸べられたとしたらーー。例えば友好関係やビジネス上のパートナーシップ、あるいは外交上のパートナーシップにおいてでも、あなたは喜んで手を握れるだろうか」

エポック・タイムズは2006年、中共政権による臓器強制摘出のニュースを報じた。それ以来、証拠と調査の積み重ねが、この残酷な行為を裏付けている。

ブラウンバック氏は当初、臓器目的の殺害は誇張ではないかと考えていたという。しかし、さらに調査を進め、中国からの報告が増えるにつれ、それが真実であるとわかった。

「これは中世の処刑人が赤面するほど野蛮な行為だ。世界第二位の経済大国によって強制的な臓器狩りが行われており、今日も、この世界で起きているのだ」

「強制臓器狩りをやっているのに、国際社会の一員として受け入れられるのか。とんでもないことだ。それなのに、私たちはそれを許しているのだ」

議会が行動を開始したことに同氏は安堵の表情を浮かべた。下院は3月、強制的な臓器狩りに関与する中共の党員を含む個人や団体に制裁を科す法案を初めて可決した。この上院版の法案が、現在外交委員会に提出されている。

シーラ・ジャクソン・リー下院議員(テキサス州選出)はNTDに対し、「非人道的」で「人間の尊厳を損なう」強制臓器狩りを終わらせるために世界が協力すべきだと語った。

ペリー議員は6月、中国での臓器強制摘出に加担した個人の米国への入国を禁止する「法輪功保護法」を提出した。これは強制臓器摘出という犯罪を阻止するため、同盟国と国際的に協力することを米国の方針とするものである。

ティム・バーチェット下院議員(テネシー州選出)は、中共の犯罪は強制的な臓器狩りにとどまらないと述べた。「強制臓器摘出、強制中絶、奴隷労働は氷山の一角に過ぎない。もう少し掘り下げれば、もっと多くのことがわかる」

越境弾圧

法輪功への迫害は中国国内にとどまらない。米国の連邦当局は、学習者に沈黙を強いるための中共政権の秘密工作を防いでいる。

4月、FBIは2人のニューヨーカーを逮捕した。マンハッタンのチャイナタウンにある中共の秘密警察署を管理運営していたのだという。スペインを拠点とする非営利団体「セイフガード・ディフェンダース」の報告によると、こうした警察署は世界中に50以上ある「海外警察サービスセンター」の一つである。逮捕された2人のうち1人は、メディアキャンペーンで学習者を標的にし、2015年に中国の習近平主席が訪米した際に法輪功への反対デモを組織したことで告発されていた。

そして1か月後、司法省はカリフォルニア人2人を逮捕した。容疑は、米国で学習者に対する弾圧と嫌がらせを行う中共の活動を促進するために公務員に贈賄したというもの。

「私たちは共産主義中国で何が起こったかを知っている。 しかし、彼らが米国のような国に来たときは考えてみてほしい」とトム・ティファニー下院議員(共和党、ウィスコンシン州)。同議員がNTDに語ったところによると、イタリアやフランス、イタリア、オランダでも中国の警察署が発見されており、西ヨーロッパ諸国も標的にされている。

「彼ら(中共)は、自由を求める者には誰に対しても厳しい態度を取る。今回のケースでは、我が国の建国の基盤である信教の自由を実践しようとしている法輪功の学習者(信者)に対してだということです」とティファニー議員。

中共は「可能な限りあらゆる方法で人々を追及するだろう」と指摘した。

助けはまもなく

ガス・ビリラキス下院議員(共和党、フロリダ州)は、学習者を「耐性のある人々」と称賛した。彼は中国で迫害されている人々に次のようなメッセージを送った。 「これからも頑張ってほしい。自分の原則を放棄しないで。まもなく助けがくるだろう」

ティファニー議員は中国の学習者に対し、「信仰を守り続けてほしい。米国は、常に信教の自由を信じる人々を支持する」と語った。

「そして私は、彼らがいつか共産主義のくびきから解放されて自由になれるという信念を持ち続けてほしいと願っている」と付け加えた。

ナンシー・ペロシ前下院議長(民主党、カリフォルニア州)は、学習者へ書簡で、彼らの「信教の自由を守り、学習者への迫害を周知するたゆまぬ努力」を支持し称賛した。

「中国における人権への米国の取り組みは、超党派であり、上院下院を問わないものであり、揺るぎないものである。私たちは、世界中の人権擁護に常に注意を払っている」とペロシ氏。

「すべての中国国民が中共による迫害と虐待から自由に生き、学び、信仰できるまで、民主党と自由を愛するすべての人々は声を上げ続けるだろう」

ペリー議員はまた、中国の学習者にメッセージを送っている。 「希望を持ち続けて。信じ続け、修煉し続けて、助けが近づいていると知ってほしい。皆さんは一人ではありません。達成する価値のあるもの、救う価値のあるもの、支援し続ける価値のあるものには、すべて犠牲が伴うものだ」

「これは多くの人が通らない道だ。誰もが通っているわけではないが、あなたはこの道を通っているのだ。そして、遠くからでも一緒に頑張ってくれている人がいる。私たちはあなたの叫びを聞き、あなたの願いを聞いている。私たちはできることをする」

政治番組『キャピトル・レポート』司会者。『キャピトル・レポート』は米首都ワシントンの政治ニュースを専門家の分析とともにお届けする。
Terri Wu
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