ガザ病院爆発でイスラエル、ハマスが非難合戦

2023/10/18
更新: 2023/10/20

17日、ガザ地区病院が爆発したことを受けて、イスラエルとハマスが非難合戦を繰り広げている。パレスチナ保健当局はイスラエル軍の空爆によりおよそ500人が死亡したと主張しているのに対し、イスラエルはガザ地区から発射されたロケット弾が原因だと反論した。

着弾したのはガザ地区にあるアル・アハリ病院。事件発生を受けて、ハマスが実効支配するガザ行政府の保健相マイ・アルカイラ氏は、イスラエルが病院を攻撃したと非難した。

これに対し、イスラエルは直ちに攻撃を否定。パレスチナの過激派組織イスラム聖戦」が発射に失敗したロケット弾が病院に直撃したと発表した。

「イスラエル国防軍の分析によると、テロリストがガザから複数発のロケット弾を発射したが、飛行する際の軌跡はアル・アハリ病院上空を通過していた」とイスラエル軍報道官は述べた。

「過激派組織は、ロケット弾発射に失敗し病院に着弾させた責任を負うべきであることは、複数の情報筋から確認できている」

ハドソン研究所の村野将氏はXで「ロケットモーターが不具合か何かで空中で不自然に爆発した後、その一部が先に落下し、弾頭が病院に落ちたように見えるな」と投稿、米軍には情報を分析する能力があると指摘した。

イスラエルのヘルツォグ大統領も、この事件は過激派武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」のロケット弾によって引き起こされたものだと指摘。メディアがこの悲劇を適切に報道していないと批判した。

イスラム聖戦(PIJ)の報道官ダウド・シェハーブ氏はロイター通信に対し、同組織に対するイスラエルの非難は「うそであり、捏造であり、完全に間違っている」と語った。

病院の被弾を受けて各地でデモが起きている。ヨルダン川西岸の中心都市ラマラでパレスチナ自治政府のアッバス議長を批判し、治安部隊が鎮圧のため催涙ガスを使用した。アラブ世界各地に反発の声が広がり、トルコとヨルダンなどのイスラエルおよび米国の大使館で抗議デモが確認されている。

この事件はバイデン米大統領のイスラエル訪問前夜に発生した。病院襲撃後、パレスチナのアッバス議長は予定されていたバイデン氏との会談をキャンセルした。ヨルダンのアブドラ国王も、首都アンマンで予定されていたバイデン氏とエジプトの首脳会談やパレスチナ指導者との会談を取り消した。

*情報の更新を受けて、一部修正しました。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
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