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今月28日、河南省商丘市で起きた男子中学生、楊さん（14歳）が死亡した事件をきっかけに、大勢の市民が学校に押しかけ、真相解明を求めて集団抗議する事件が起きた。

死亡した男子生徒は、全身に受けたひどい傷跡からして、学校内で暴行されて死亡した可能性が濃厚とみられている。しかし学校側は「男子生徒が、寮から飛び降りて自殺した」と主張している。

暴行され死亡した生徒「学校が自殺を偽装か？」

12月23日夜、河南省商丘市寧陵県にある「育華園高級中学」の男子生徒が学校内で急死した。生徒の遺体はアザだらけで、足首は折れていた。また、ドライバーで突き刺された見られる穴が手、足、肩など十数か所に確認できる。なかには骨が露出するほどの深い傷もあった。

中国メディアによると、遺族は男子生徒の遺体にある明らかな傷跡から「死亡する前に、ひどい暴行を受けたのではないか」と疑っており、当局による「自殺した」という主張を受け入れていない。遺族は、学校側に対し、真相究明を求めている。

ネットに流出した「同じ学校に通う生徒の供述」を収めた動画によると、同生徒は次のように語っている。

「亡くなった生徒は、おそらく23日夜に、学校のトイレの中でクラスメイトによって暴行され、死亡した。数時間放置された後、学校側は被害者を屋上から下に投げ落とし、飛び降り自殺を偽装した。翌日になって、ようやく遺族に知らせた。学校の校長も事件に関与していた」

地元政府も「自殺した」と主張

遺族は学校前で、連日のように「私の子供を返せ（還我孩子）」と書かれた横断幕を広げ「育華園学校の教師が生徒を殺した」などのスローガンを叫んだ。これに対し、地元政府は27日、男子生徒は飛び降り自殺したと断定した。

当局の発表をきっかけに、12月28日、悲惨な死を遂げた生徒の真相究明を求めて、1万人ほどの地元の市民が学校前に集結し、学校に抗議した。

（学校に抗議をするため、街に繰り出した大勢の市民たち。）

ネットに流出した動画のなかには「学校側の人間」と思われる男性が、怒った市民に捕まり、殴られているシーンもあった。

（市民に捕まった「学校側の人間」と思われる男性。ひざまづいて謝罪しろ、と迫られている）

（怒った市民によって破壊された育華園学校のオフィス）

動画投稿者によると「怒りの市民たちは、一度は学校の門を押し破って校内へ突入し、学校の警備員と衝突を起こした」という。その後、現地当局は大量の警察官を学校に差し向け、市民を追い払った。

警察署から「学校へ行くな」の脅迫メール

また、商丘市では「濃霧」を口実にして、市内の高速道路を封鎖。市内あちこちに「検問所」を設けて、抗議に集結する市民を阻止していた。

また、警察署から「事件のあった学校に行くな。さもなければ、自分で責任を取ることになるぞ」と脅迫するメールを受け取った、と明かす市民もいる。

亡くなった男子生徒の遺族と名乗るネットユーザーによると「学校の寮の両側の窓は、開けられないようになっている。寮から飛び降り自殺することは不可能だ」と明かしている。

また、別のユーザーによると、この学校は昨年の時点で、生徒が学校内で教師から体罰を受けたり、教師にそそのかされた生徒が交代で特定の生徒を殴ることが明らかになっていたという。

「被害を受けた家の子が安全でないのなら、私たちの子供も安全ではない。以前にもこのようなことは数多く起きていたし、今後も起こるかもしれない。私たちはそれが心配なんだ。当局の主張は認められない。疑問点が多すぎる」と多くの市民が口をそろえている。